主権者教育の要点と新聞の役割を確認 北海道・東北ブロック会議

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 9月28日(土)、岩手日報社(盛岡市)5Fホールにて「北海道・東北ブロックNIEアドバイザー・NIE推進協議会事務局長会議(日本新聞協会主催)」が開催された。NIEアドバイザー10人を含む24人が参加した。

 開催県の岩手県NIE推進協議会会長の田代高章氏(岩手大学教育学部教授)、岩手日報社執行役員総合メディア局長・DX推進担当の八重樫卓也氏(日本新聞協会NIE委員会委員)のあいさつに続き、北海道と東北六県の各推進協議会から現在の取り組みの状況と課題・展望について報告があった。各県とも、コロナ渦からの活動の再構築と、NIEをいかに周知し、若い教員につなげていくかが課題として挙げられた。

 その後はグループに分かれて「主権者教育に新聞をどう生かすか」をテーマにグループ討議が行われた。それに先だつ日本新聞協会NIEコーディネーターの関口修司氏による基調提言では、広義の主権者教育、ボイテルスバッハ・コンセンサスと主権者教育における新聞の活用、正しい情報媒体としての新聞の在り方について示された。

 各グループの発表からは、主権者教育で必要なこととして、教科を限定せず、横断的な学びで児童・生徒の合意形成を図る力を育むこと、日常的な主権者意識の育成等が出された。そして、新聞は児童生徒が社会に自分を反映させる媒体としての役割をもつことを確認した。また、議論になるような社会的事象について読み比べができるような、複数新聞社の記事パッケージが作成できないものか、という要望も出された。

 最後に関口コーディネーターから、日常化、デジタルとアナログ、発信、教育行政、持続可能なNIE――の5つの視点で討議の助言とまとめをいただき、会議を終了した。

 いずれの県においても、紙媒体の新聞の活用、NIEの周知と継続が共通課題であった。このことは本ブロックに限ったことではないと考える。関口コーディネーターから提示された「持続可能なNIE」のために、今回要望のあった、誰もが取り組みやすいNIE学習材としての新聞パッケージや、教育行政への周知等、具体的で幅広い取り組みが必要だと感じた。

川﨑 美希子(盛岡市立下橋中学校教諭/日本新聞協会NIEアドバイザー)(2024年10月10日)