新聞4コマ漫画で「起承転結」学ぶ

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   4コマ漫画を並べ直す児童
=いずれも兵庫県明石市立大久保小学校

    並べた順を発表し合う児童

       若生佳久教諭

 バラバラにした新聞の4コマ漫画を正しい順序に並べ直すNIE授業が9月27日、兵庫県明石市立大久保小学校であり、4年生31人が参加した。日本新聞協会NIEアドバイザーを務める、同校の若生佳久教諭の指導で、児童たちが4コマ漫画の「起承転結」について学んだ。

 この取り組みは長年、NIE活動を続けている若生教諭が考案した。

 この日は、神戸新聞朝刊7月21日付の「ねえ、ぴよちゃん」など二つを教材にした。「ねえ、ぴよちゃん」は、ぴよちゃんがパフ(ポンポン)でメークするお母さんをまねて、ネコ(又吉)のしっぽで自分の顔をポンポンとするという話。児童たちは登場人物のセリフや表情をもとに4コマを並べ直した。

 続いて、班ごとに、並べた順番とその理由を発表。授業を受けた吉田芽生さんは「正しい順に並べることができてうれしかった」と話した。ぴよちゃんのセリフを少し変えれば、正解と違う順でも意味が通る―との発表もあった。
 

 使用したもう一つの教材は、読売新聞朝刊4月24日付の「コボちゃん」。音楽会の合唱で高い音が出づらかったコボちゃんだが、就寝中の寝息は高音が出ているというオチ。こちらも正解と違う順でも意味が通るとの意見が出た。異なるストーリー展開をすぐ思いつく、子どもたちの「やわらかあたま」を再認識するNIE授業になった。

 新聞4コマ漫画は1923年10月から東京朝日新聞で連載された「正チャンの冒険」が最初といわれる。事件事故などのニュースも多い紙面の「一服の清涼剤」となっている。

 若生教諭は「新聞の4コマ漫画は、生活に密着した話題や風物詩が多く扱われ、児童がとっつきやすい。日頃から新聞を開くきっかけになれば」と話す。この取り組みは2025年夏の「第30回NIE全国大会神戸大会」で、若生教諭が発表する予定だ。

※若生教諭の「4コマ漫画で『起承転結』を学ぼう」は「新聞で授業が変わる NIEガイドブック・小学校編」(日本新聞協会、2020年発行)に掲載されています。

三好 正文(兵庫県NIE推進協議会事務局長)(2024年10月2日)