「学校図書館×新聞」をテーマに第7回NIE教育フォーラムを開催 

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学校図書館での新聞活用を議論

 新聞協会は2月23日(金・祝)、「学校図書館×新聞~主体的・対話的で深い学びの実現に向けて~」をテーマに、第7回NIE教育フォーラムをオンライン開催した。稲井達也氏(大正大学教職支援オフィス教授・同大学附属図書館長)、入山達也氏(葛飾区教育委員会事務局学務課学事係主査)、副島江理子氏(日本新聞協会NIEアドバイザー、横浜市立本町小学校講師、十文字学園女子大学講師)の3人がパネリストとして登壇、新聞協会の関口修司コーディネーターの司会によるパネル討議を行った。情報活用能力を育む場として、また主体的・対話的で深い学びの実践の場として期待される学校図書館でどのような新聞活用が可能か、また、国の第6次「学校図書館図書整備等5か年計画」に沿った新聞の複数紙配備の重要性などをめぐり議論を深めた。当日は小中高校の教員、学校司書ら158人が視聴した。

「葛飾方式」で教委と新聞社が直接契約

 稲井氏は、大正大学の目指す図書館像について「学びの場であり、オンラインとは異なるリアルな交流・共有・協働の場であること」と述べた。NIEについては「これからの社会に必要とされるコンピテンシーを育てる学びを提供することが大切だ」と話した。

 副島氏は、元小学校校長として、学校図書館を経営の中心に据えた経験について「新しい情報は学校図書館から発信し、学校図書館に来れば何か情報があると思ってもらえるようにした。新聞も情報の一部として図書館に置いた」と話した。司書教諭と学校司書が連携を図り、児童・生徒の学習支援をしていく必要があると強調した。

 入山氏は、葛飾区教育委員会と新聞社の一括契約による区内全小中学校74校への新聞配備について報告した。教委が各校の購読希望銘柄を集約し、新聞社と直接契約を結ぶこの方法は「葛飾方式」と呼ばれ、2023年度から葛飾区が全国に先駆けて始めた。学校が新聞販売所に購読を申し込む通常の方法に比べ、教委を含む関係者の経理・事務手続きの簡素化につながるなどのメリットがある。同区は区内全校に司書を配置するとともに、統括するための学校図書館コーディネーターを配置、学校司書向けの研修も実施しているという。

 関口NIEコーディネーターは、教育のICT化が急速に進む中で、デジタルを上手に活用しながら、紙の本や新聞の学びを再構築する必要性があると説いた。

フォーラムの詳細はこちらでお読みいただけます

(2024年3月6日)