新聞使い深い学び 富山市立呉羽小、中でNIE研究発表会

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新聞やインターネットの記事を比較して
共通点や違いを考える6年1組の児童たち
=富山市立呉羽小学校

 教育に新聞を活用する2023年度のNIE研究発表会が11月21日、富山市立呉羽小学校と同呉羽中学校で開かれました。富山県内の小中学校の教員ら約160人が新聞を教材に取り入れた授業事例を見学しました。
 研究主題は「新聞の活用を通して主体的に学ぶ児童生徒の育成」。富山県NIE推進協議会(会長・関原秀明県中学校長会長)が主催しました。
 呉羽小と呉羽中の各2クラスで公開授業を実施。呉羽小4年3組の総合「うそ? 本当? 情報の世界」では、同じ出来事を取り上げた複数の記事を比較し、書き手の意図や読み手が受ける印象の違いを考えました。
 6年1組の総合「情報化社会の中で生きるわたしたち」は、事前に選んだ各自の一押しニュースを複数の媒体で読み比べ、共通点や疑問点、違いをまとめました。
 呉羽中1年5組は、地元紙の人物紹介記事を教材にした特別活動「『けさの人』から考える今後の自分」を行いました。多様な生き方や価値観があることを知り、「なりたい自分」に近づくための目標を考えました。
 2年3組の社会「日本の諸地域『中部地方』」では、気候などの地域特性と産業が関連することを学習し、新聞記事の情報を手掛かりに富山や北陸で持続可能な産業を提案し合いました。
 授業の後、呉羽中で全体会があり、関原会長が「ICTを効果的に用いつつ教育に新聞を活用することは、子どもの言語能力や思考力を育てる上で効果的だと感じる」とあいさつしました。
 兵庫県立大学教授の竹内和雄さんが「情報社会に生きる~情報リテラシーの高め方」と題して講演。インターネットの利用について富山市内の児童生徒にアンケートした結果を示し、「情報があふれる社会で生き残るには、創造性、協調性、高度な判断、特別な知識を身につける必要がある」と呼びかけました。

筒口 義裕(富山県NIE推進協議会事務局長)(2023年12月21日)