新聞記事をやさしい日本語に、神戸の高校で公開授業 兵庫県NIE推進協議会
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やさしい言葉でまとめ直した記事を
紹介し合う生徒たち=伊川谷高校
兵庫県立伊川谷高校(神戸市西区)で10月10日、兵庫県NIE推進協議会によるNIE公開授業があった。同校は日本新聞協会のNIE実践指定校。公開授業には、県内の教員を中心に33人が参加した(うち、オンライン参加9人)。
担当の福田浩三主幹教諭は2学期当初から、授業で在留外国人などに向けて、新聞記事をやさしい日本語に書き換えることに取り組んできた。この日は全5回の授業の最終回で、まとめの発表が行われた。
1年生29人が5班に分かれ、班の中で発表し、代表者を決めて全体発表を行った。発表したテーマは電動キックボードの法改正やヤングケアラー、戦争と原爆など多岐にわたった。発表ではやさしい日本語に書き換えるほかに、イラストをつけたり、漢字にルビを振ったりするなどの工夫が見られた。
公開授業の後、意見交換会があり、「やさしい日本語に書き直すには、生徒が記事の内容をよく理解し、自分の言葉で的確にまとめる練習を行うことが大切」などの意見が出た。今回の授業全体の評価については「評価基準を明確にし、評価をもとに発表の仕方や内容を改善していくことが必要」との意見が出された。
締めくくりに、この一連の授業の最初から指導助言を行ってきた塩川雅美・大学未来創造研究所代表、吉開章・やさしい日本語普及連絡会代表理事、藤原孝章・同志社女子大学名誉教授から講評があった。
もともと日本語を母語としない在留外国人などが「やさしい日本語」に書き換えた記事を読むことは、ニュースの理解を促す有効な手立てだ。災害時に分かりやすい安全安心情報を提供することは、彼らを災害弱者にしない有効策にもなる。
10月12日には、同校の代表生徒4人が福田主幹教諭とともに、夜間中学の神戸市立丸山中学校西野分校(神戸市須磨区)を訪ねた。同校は外国籍の生徒が数多く在籍。日本新聞協会のNIE実践指定校で、ひらがなから日本語を学ぶ生徒もおり、こども新聞や英字新聞も活用しながらNIE活動を展開している。この日は、まだ日本語の習得が十分でない生徒たちに対し、伊川谷高校生が自分たちの考えた「やさしい日本語」が伝わるかどうかを実践した。約40分間にわたって行われ、双方の生徒にとって有意義な交流となった。今後も交流を継続する予定という。
◆実践された伊川谷高校・福田浩三主幹教諭の寄稿(授業のめあてや感想、今後の展望)はこちら。
http://www8.kobe-np.co.jp/nie/hyogo/2023/10/post-367.html
◆参加者の感想はこちら。
http://www8.kobe-np.co.jp/nie/hyogo/2023/10/-nie-6.html
吉田 尚美(兵庫県NIE推進協議会コーディネーター)(2023年10月18日)