持続可能なNIEを目指して 岐阜県NIE推進協議会が勉強会
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新聞記事の読み比べのワークショップで選んだ
新聞記事についてプレゼンし合う参加者
=岐阜市司町、みんなの森ぎふメディアコスモス
岐阜県NIE推進協議会の勉強会「持続可能なNIE実践ワークショップ」が8月17日、岐阜市司町のみんなの森ぎふメディアコスモスで開かれた。小中高の教員ら約30人が、無理なく継続できる実践や、ICT(情報通信技術)を活用した新たな事例を学んだ。
勉強会は、NIE全国大会のエッセンスを岐阜県内で体験してもらおうと、2017年から隔年で無料開催し4回目。コロナ禍での延期もあり、2年連続の開催となった。
日本新聞協会NIEコーディネーターの関口修司さんが「今、持続可能なNIEが求められるわけ」をテーマに講話し、先生が普段の授業で新聞記事を使って、世の中と授業を結びつける声かけをすることや、新聞を読む生活習慣を育むように促した。
全国学力テストで成績上位の県が、新聞を読んでいる子どもの割合も高いとのデータが示され、参加者の注目を集めた。岐阜県の中学生は成績上位だが、毎日同じ時刻に起きるが下位となっており「睡眠時間を削っていないか。持続可能な学びのためには、何に取り組ませるかを考える必要がある」とのアドバイスもあった。
その上で、児童生徒が興味を持った新聞記事を選んでコメントを書く「NIEタイム」を週1回程度継続することを勧め「何もかもやるのは大変。内容と方法のバランスとタイパ(タイムパフォーマンス)を考えた時に、NIEが一つの方法になる」とまとめた。
ワークショップ「新聞記事の読み比べ」では、参加者が新聞6紙から関連のある記事を探して紙に貼り、共通するテーマの見出しとコメントを書き加えてプレゼンし合った。参加した高校教諭は「気張らずに毎日できる実践を繰り返して、生徒の世の中を見る目を養っていきたい」と話していた。
東京都立清瀬高校教諭の小松純さんは「NIEのデジタル化推進に向けた取り組み」と題して、新聞の電子版を活用した社会科の実践を報告。昨年度、新聞社の協力で生徒50人分の電子版アカウントの提供を受け、生徒は電子版新聞で企業の情報をチェックしながら株式学習ゲームで投資したり、円ドルダービーで1カ月後の円相場を予想したりした。「一番助かったのは新聞紙の保管や管理の必要性がないこと」と振り返る一方、「生徒が必要な記事しか見ない」との課題を挙げ、教育環境や新聞へのニーズが変化する中で、教員も指導法や新聞の利用の仕方を再考するように促した。
SDGs(持続可能な開発目標)カードゲームの体験もあり、17の開発目標のカードから5枚のカードが示され、参加者は新聞から目標に該当する企業の記事を探し、ワークシートに理由を書いた。目標に該当すると認められると得点になる。高校では最後にグループになって発表し合い、SDGsへの理解を深めている。「SDGsが何か分からなくても、探究につなぐ契機をつくることが重要」と説明した。
土屋 健一(岐阜県NIE推進協議会事務局長)(2023年9月7日)