全国NIEアドバイザー会議を松山で開催

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 第16回NIE全国大会松山大会終了後の8月4日(金)午後、愛媛県県民文化会館で開催した。NIEアドバイザー50人のほか、事務局長ら約30人がオブザーバーとして参加し、第1部「NIE全国大会松山大会の感想・意見の共有」、第2部「NIEアドバイザーとして今年度取り組みたいこと、取り組んでいること――方法論を含めて」をテーマに意見交換した。4人のアドバイザーによるグループ討議に関する発表を受け、関口NIEコーディネーターは、NIEを広めるためには、「若手教員の育成」や「アドバイザーがハブになること」の重要性を指摘し、総括した。


 第1部、第2部のグループ討議で出された主な意見は以下の通り。
<第1部:NIE全国大会松山大会の感想・意見の共有>
・NIEにおける紙とICTの違いと共通点について考えさせられた。違う面はあっても根っこは変わらない。紙とICTの違いを知っていくべきである。
・「紙か、デジタルか」というよりも、何のために、どんな力を子供につけさせるのかが大事。知識・技術なのか、思考・判断なのか。どうすれば、より深められるかを探りたい。
・(夏井いつきさんの講演について)「言葉は命を守る」――その言葉の力を育てるのがNIEかもしれない。
・中学校の公開授業の「三者の視点で考える」という言語活動に実践意欲を搔き立てられた。立場を変えて、事象を多角的・多面的に考える経験は、深い学びにつながる。小学校でも参考にして学びを深めたい。
・学びを通して、「自分はどうしたいか」「自分は今後、どのようにしていくか」など、自分にできることは何かを考え、行動することに繋げられる授業だった。
<第2部:NIEアドバイザーとして今年度取り組みたいこと、取り組んでいること>
・思考力、表現力、判断力、読解力など、小さな力の積み重ねが大きな力になることを若い人に伝えていく。NIEで身につく力を具体的に示さないと伝わらない。新しい実践指定校向けに公開授業を行い、学校全体で取り組む方法を知らせていく。
・図書館に新聞を置き、日常的に新聞に触れることができる環境づくりとともに、授業などで学習材として活用する両面が必要だ。
・私たちは、特に、若い先生方に新聞を使った学習指導の重要性を教える必要がある。その際には、学級経営にも役立つことを伝えたい。理解してくれる先生が増えれば、新聞を使った学習指導案を作成する先生も増えると思われる。
・年度初めに保護者・地域コミュニティーに対し、NIE活動を行うことを説明したうえで、全校で取り組みを行っている。新聞を活用してどのような力をつけるかを常に考えて教育課程に位置づけている。
・学校の授業だけでなく、例えば、保護者や児童生徒、若手教員を対象に親子新聞教室やまわし読み新聞など、新聞社と協力して様々な活動を積極的に行っている。
・新聞社に取材に来てもらうこともNIEを広めていくことにつながる。NIEで子供が成長すると、教師を動かすことになる。
・「細く、長く」続けるには、実践指定校の教師だけでなく、実践指定校の期間が終わった学校の教師も参加できる会の存在が大切ではないか。例えば2か月に1回など、無理のない範囲での開催がいい。

(2023年9月5日)