2023年度兵庫県NIE推進協議会・NIE兵庫セミナー報告

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NIEの取り組みについて校種別に意見交換する参加者
=神戸新聞社

 2023年度のNIE兵庫セミナー(兵庫県NIE推進協議会主催)が7月6日、神戸ハーバーランドの神戸新聞社で開かれ、県内外から教育関係者約45人が参加した。
 会長に就任したばかりの竹内弘明氏の「新聞につづられる熱い思い、人の心を子どもたちへ伝えたい」という温かいメッセージで幕開け。記者講演は、時事通信社神戸総局の水島信総局長が登壇した。本社政治部記者として長年取材した体験から「政治家のエピソードがおもしろおかしく伝えられてしまうことがある」として、全ての情報の真贋(しんがん)を見極める▽無責任に拡散しない―などの留意点を挙げた。「情報リテラシー」をテーマにNIE展開するときにも活用できそうだ。
 続いて、小中高校各1校から実践報告があった。神戸市立白川小学校の長﨑康子校長は、推進協議会による記者派遣事業(出前授業)の取り組みなどを発表。出前授業が初めての記者からの提案で、記者が担当教諭にインタビューし、その場で記事にしたことを紹介。5分で記事を書き上げたときの子どもたちの驚きなど、発表からは「ゼロから創り上げる出前授業」の楽しさが伝わってきた。
 姫路市立飾磨中部中学校の佐伯奈津子教諭は、長年にわたるNIE実践について報告。新聞から魅力ある写真を切り抜いて校内に掲示したり、授業で新聞の読者欄へ投稿したり、地元新聞社の報道展示室を訪ねたり、多様な取り組みを紹介した。「誰でもできる、継続的に」というキーワードが印象的で、多くの人を巻き込んで、楽しみながらできる活動は、すぐにまねできそうだった。
 愛徳学園中・高校(神戸市垂水区)の米田俊彦教諭は、電子版の新聞を活用した事例を報告した。「週刊国語表現」と題し、生徒用端末に記事を配信し、日常の中でより多くのニュースに触れさせることで、生徒たちは新聞の面白さに気づく。そうすると、生徒たちは主体的に新聞を読み、コメントを考えて書くようになる。新聞活用の効果は計り知れない―という報告だった。
 その後、参加者は4グループに分かれ、意見交換会を行った。テーマは、「わが校の〝探究〟を紹介しあい、企画を磨く」。中学校グループでは、主権者教育や防災教育、人権教育、道徳教育、ICT教育など、多岐にわたる新聞活用のアイデアを知ることができた。もう20年以上もNIE活動に取り組んでいる先生、これから取り組もう―とセミナーに初参加したという先生、NIE実践指定校の校長先生、新聞社の方などと「さらなるNIE実践を持ち寄り、ぜひまた会いましょう」と再会を約束するほど、話が盛り上がった。
 小学校グループからは、こども新聞の活用の実際、高校グループからは「総合的な探究の時間の情報源として新聞は欠かせない」などの報告があり、新聞活用の場面が広がりをみせていることを参加者全員で共有した。
 学習指導要領では、新しい時代に必要となる資質・能力として、生きて働く知識・技能の習得▽未知の状況にも対応できる思考力・判断力・表現力等の育成▽学びを人生や社会に生かそうとする学びに向かう力・人間性の涵養(かんよう)―の三つの柱が掲げられている。これらの資質・能力の育成のため、NIEが果たす役割や可能性を改めて感じることのできるセミナーとなった。

参加者の感想はこちら
http://www8.kobe-np.co.jp/nie/hyogo/2023/07/2023nie-24.html

赤松三菜子(兵庫県NIE推進協議会特任アドバイザー/神戸市立高倉中学校長)(2023年7月11日)