NIEへの意欲高まる 九州ブロック会議

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 5月13日(土)、長崎新聞文化ホールにて、沖縄を含む九州各県の協議会から20人が参加し、「九州ブロックNIEアドバイザー・NIE推進協議会事務局長会議」(日本新聞協会主催)が開かれた。
 

 前半では、各協議会から各県における取り組みや課題についての報告がなされた。【写真1】鹿児島県からは、2021年度にタブレット端末で新聞が読める学校専門の学習支援サイトを開設し、デジタルと紙媒体の新聞活用を図っている南日本新聞社「すく~る373る」の活用事例について報告があった。長崎県からは、アドバイザーによる研修会の講義や新聞記事を用いたワークシートの作成を通して、実践校や教員への支援を行っている例が紹介された。このほか、「NIE活動の普及定着の手立て」や「協議会の人員・活動の拡充」といった、各県に共通する課題や解決に向けてのヒントを共有できた。
 

 後半は、はじめに日本新聞協会の関口修司コーディネーターから「メディアリテラシーとNIE」というテーマで基調提案があった。正しい情報を収集・選択・活用することの重要性とともに、日常的に学習で新聞を活用し、新聞を読む生活習慣を身に付けさせることが、「情報的に健康な体」の育成につながるとの示唆をいただいた。続いて2グループに分かれて行われた協議では、校種や県を超えたアドバイザーの様々な実践や悩みが話題に上った。学校の授業における具体的な取り組みを共有するだけでなく、新聞の作り手側である記者からの知見も得ることができ、とても有意義な意見交換となった。【写真2】その後、関口コーディネーターが、まとめとして子どもたちの可能性をさらに広げる新聞の意義に触れ、参加者のそれぞれが今後のNIE活動への意欲を高め、和やかな雰囲気の中で会を終えた。【写真3】
 

 コロナ禍で様々な活動が制限されていたこの数年で、教育現場におけるICT化は着実に進んでいる。紙かデジタルかという二者択一に陥ってしまうのではなく、「子どもが主語」の学びの中で、良質な情報である新聞を読む環境づくりも教師にとって大切な任務の一つだと考える。魅力あふれる新聞を教育に取り入れ、子どもたちが学びに向かう力を身に付けるため、九州各県の同志と結んだ今回の縁を原動力に、NIE活動に取り組んでいきたいと思う。

武藤悦子(長崎県教育庁義務教育課 係長/日本新聞協会NIEアドバイザー)(2023年6月8日)