記者の出前授業、過去最多の延べ40回 兵庫県NIE推進協

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共同通信神戸支局の斉藤奏子記者の話を聞く生徒たち
=2022年12月12日、尼崎市立南武庫之荘中学校

 兵庫県NIE推進協議会が2022年度、県内のNIE実践指定校の全24校で行った記者の出前授業が、過去最高の延べ40回に達した。すでに23年度の出前授業も始まり、同協議会は新聞を身近に感じ、情報の価値を再認識してもらう授業にいっそう力を入れる。
 出前授業には兵庫に取材拠点を置く新聞・通信8社が記者を派遣する。派遣先のNIE実践指定校には小中高と小中・中高一貫校、特別支援学校が参加。外国籍の生徒が多くNIEへの参加が珍しい夜間中学も含まれている。
22年度は授業テーマが多岐にわたった。記者の仕事や新聞の読み方、記事の書き方、新聞製作の実践のほか、新型コロナウイルス禍やウクライナ危機、成人年齢の18歳への引き下げなどのニュースを反映し、有事における情報の読み方、主権者教育と選挙報道なども目立った。
 高校では「総合的な探究の時間」の一環として、新聞を使った調べ学習のほか、世論調査の意義、裏付けの大切さを学ぶ授業も行われた。
 この1年、授業を受けた児童・生徒から寄せられた感想は延べ約2200件に上り、同協議会サイトのコーナー「わたしの感想NIE」で紹介している。
 産経新聞記者らが授業を行った、神戸市立白川小学校(同市須磨区)の長崎康子校長は「出前授業は、担当教師と記者の方が共に創り上げる授業。ねらいを共有するため、事前打ち合わせが非常に大切」と話している。

三好 正文(兵庫県NIE推進協議会事務局長)(2023年5月19日)