新聞の中に見つける「師走」 兵庫県NIE推進協がワークショップ

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新聞からは「師走」の記事が数多く見つ
かる。「真珠湾攻撃81年」(手前の記事)
も児童たちに伝えたいニュースだ

兵庫県NIE推進協議会が県内の小学校で、新聞から「師走」を感じさせる記事を探すワークショップを行っている。児童たちは一般記事だけでなく、広告や発言欄のイラストにも「師走」を見つける。「新聞は歳時記の役目も果たしていることを知ってほしい」。同協議会は、そんな願いをこめる。

12月9日、神戸市立塩屋北小学校(同市垂水区)でのNIE授業に5年生58人が参加。「師走」の記事探しは、この日の神戸新聞朝刊を使った。1面に、神戸で来年の干支(えと)「卯(う)」にちなんだ人形作りが本格化、地域版に警察署による年末パトロール隊の発隊式――。この時期ならではの記事だ。

県が職員の冬のボーナスの支給額を発表、神戸の企業が来年のカレンダーをプレゼントなど、扱いの小さい記事も年の暮れを伝える。

児童たちは広告にも目を向ける。冬の味覚・ズワイガニやスタッドレスタイヤの広告は、本格的な冬の入りを知らせる。発言欄のイラストはクリスマスツリー、クロスワードパズルの解答は「トシコシソバ」だった。

国際面には、米誌タイムが毎年恒例の「今年の人」に、ウクライナのゼレンスキー大統領を選んだとあった。この日の朝刊の「師走」を感じさせる記事などは15本を数えた。

これまで同協議会は、新聞の特長である網羅性や一覧性を知ってほしいと、NIE授業で、新聞からコロナ禍やウクライナ侵攻の関連記事を探してもらうワークショップを行ってきた。「師走」の記事探しは、新聞をめくりながら見出しや写真に目を通すだけでも、年の瀬のまちの様子や1年の終わりを感じてもらえそうだ。

三好 正文(兵庫県NIE推進協議会事務局長)(2022年12月26日)