全国NIEアドバイザー会議を宮崎で開催

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自分事として課題を捉え「深い学び」に

 第15回全国NIEアドバイザー会議を8月5日(金)の午後、宮崎市の宮崎公立大学で開催した。NIEアドバイザー47人のほか、事務局長ら約30人がオブザーバーとして参加し、「『深い学び』で伸ばす資質・能力」をテーマに意見交換した。

 3人のNIEアドバイザーが「深い学び」をテーマにした実践例および課題について報告した後、9グループに分かれて討議した。

 田沼正一教諭(群馬・伊勢崎市立境小学校)からは、新聞記事を読んで震災の悲惨さを感じ、生命を守るために何ができるかを思考する授業の紹介があった。高橋恵子教諭(岡山・倉敷市立真備中学校)は、豪雨被害や被災地支援を伝える記事を読んで防災意識を高め、新聞製作で思いを発信する実践を紹介した。また、小川康教諭(秋田・県立大曲高等学校)からは、温暖化や自然災害に関する記事を使い、社会課題の解決には自然科学と人文・社会科学の双方の視点が必要であることを学ぶ事例が示された。

 各グループからは、「深い学びには、まず課題を自分事として捉えなければならない」「新聞は児童・生徒と社会をつなぎ、その過程で当事者意識が育まれる。ここに、教材としての大きな価値がある」「例えば防災教育において児童・生徒の意識を高めるには、新聞の読み取りだけでなく、学んだことを新聞にまとめるなどのアウトプットが必要であり、それが自分事につながる」などの意見が出された。

 事例報告とグループ発表を受け、関口NIEコーディネーターは「防災教育では地域の災害記事やハザードマップを活用し、児童・生徒に自分事としてイメージさせたい」「世の中の出来事を自然科学と人文・社会科学の双方から広く理解し、全てがつながっていることに気づいてほしい」「紙とデジタルの両方の新聞をバランスよく活用し、多様な視点から物事を捉える力を育みたい」と総括した。

(2022年8月18日)