「有事」の新聞活用考える 神戸でNIEセミナー
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「コロナ報道では『二つの目線』が求め
られた」と話す、神戸新聞の徳永恭子編
集局次長=神戸新聞社
学校でのNIEの取り組みについて意見交
換する教員ら=同上
2022年度のNIE兵庫セミナーが神戸市内で開かれた。兵庫県内の小中高校、大学の教員ら約50人が参加。コロナ禍やロシアによるウクライナ侵攻など「有事」をテーマにした授業紹介や記者授業から、NIE展開について考えた。意見交換会では、教員らが学校での新聞活用の事例を紹介し合った。
兵庫県NIE推進協議会が主催。記者授業では、神戸新聞の徳永恭子編集局次長が「コロナ報道では『二つの目線』が求められた」と説明した。
世界全体の状況を伝える「鳥の目」と、各市町の現状を詳報する「虫の目」、死亡率などデータを分析する「クールな目線」と、居酒屋店主など個々の窮状を伝える「ホットな目線」、「公」の目線と「私」の目線――が必要で、「さらにウィズコロナ時代の新たな目線として、価値観が劇的に変わるパラダイムシフトを意識することが大切」と述べた。
兵庫県西宮市立浜脇中学校の西村哲教諭はウクライナ侵攻を学ぶ授業を紹介した。現在進行形の有事をどう伝えるか模索する中で、「生徒たちは報道に基づいて今後のシナリオを考えたり、当事者にメッセージを書いたりした」と話した。この日は、同校3年生10人が特別参加した。
同協議会事務局によるワークショップもあり、参加者が、朝刊からウクライナ侵攻の関連記事を探したり、「戦争終結に向け、私たちにできること」を考えたりした。さらに事務局では昭和初期、神戸がウクライナ人を受け入れた事例として、ロシア革命で亡命した指揮者メッテルが住んだ「深江文化村」=神戸市東灘区深江南町=についても解説した。
教員らによる意見交換会では、小学校から4コマ漫画で起承転結を学ぶ、中学校から夜間中学でのNIE展開、高校から学年に応じた探究学習とNIEの取り組み――などが紹介された。
◆ウクライナ侵攻をテーマにしたNIE授業で気に留めておきたいこと(配布資料から、作成=兵庫県NIE推進協議会事務局・三好)
三好 正文(兵庫県NIE推進協議会事務局長)(2022年7月13日)