第5回NIE教育フォーラムを開催 主権者教育で討議

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新聞で印象に左右されない複眼的思考を

 新聞協会は第5回NIE教育フォーラムを2月26日(土)オンライン開催した。テーマは「主権者教育のこれからとNIEの可能性」。当日は教育関係者ら約200人がライブ配信を視聴、約250人からの視聴申し込みがあった。

 パネルディスカッションでは、有識者の立場から関西学院大学・鈴木謙介准教授、実践者の立場から明治大学・藤井剛特任教授、若者代表として学生団体「ivote」の副代表を務める小泉のの花さん(中央大学法学部1年)の3人がパネリストとして登壇。関口修司NIEコーディネーターが司会を務めた。

 鈴木氏は、教師が政治的中立性を意識しすぎて踏み込んだ授業ができないことに対し、「中立であることと、中立であろうとすることは違い、求められているのは中立であろうとすることだ」と述べた。また、若者はアイドルの総選挙など投票すること自体にはなじみがあり、政治や政治家の魅力が問われているとの認識を示した。映像演出によって印象づけが盛んに行われる今、新聞を継続して読むことから得られる複眼的な視点が重要で、そうした情報摂取の仕方を教育現場で教えてほしいと述べた。

 藤井氏は、主権者教育のこれまでの在り方や議論、教育現場の状況などを解説した。また、新聞記事からマニフェストの一覧表を作り、生徒が自分の考えに近いものを選ぶ授業実践などを紹介した。小泉氏は、「政治が面白い、ためになると気付けば投票行動に変わっていくと考えているので、それに気付けるような授業があったらいい」と話した。

  関口NIEコーディネーターは、「小中学生が天下国家を語ったり、世界や地球規模の問題を議論したりするシーンが日常的にあることが主権者教育の質の向上につながっていく」と話した。

(2022年3月15日)