NIEノートの活用例紹介 西宮市立浜脇中の公開授業
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NIEノート活用の実例を発表する浜脇中学
校の渋谷教諭
NIE活動の一環で、日常の学校生活に取り入れている「NIEノート」の事例発表会が12月17日、神戸市中央区の神戸新聞社報道展示室であった。兵庫県西宮市立浜脇中学校の渋谷仁崇教諭が、社会への関心を高めるため新聞記事のスクラップを続け、意見発表することの有効性を語った。
兵庫県NIE推進協議会が企画。発表会は、コロナ対策として、例年の公開授業の代わりに、事前収録した授業風景の動画も流す発表スタイルにした。
同校は日本新聞協会のNIE実践指定校に認定されている。NIEノートは、生徒各自が選んだ新聞記事を貼り付け、感想を書き込むノート。生徒たちは毎週、記事を一つ選んでノートにまとめ、社会科の授業の冒頭に電子黒板上でプレゼンテーションしている。
生徒が選ぶ記事の傾向として、渋谷教諭は「3年生になると、自らの実生活や関心事について多様な発表がみられ、記事の読み比べやニュースの追跡も増える」と説明。「NIEノートの取り組みから新聞を読む習慣が育まれている」とした。
11月、音楽家やユーチューバーら各分野の講師が行った授業を、生徒たちが取材し新聞製作した取り組みなども紹介された。
発表会はビデオ会議アプリも併用し、県内外から教育関係者約40人が参加した。兵庫県姫路市立白鷺小中学校の山口偉一校長は「関心のある記事を自ら選び、意見交換することで主体的・対話的な学びが生まれる。よい実践だと思った」と話していた。
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<本校のNIEノートについて>兵庫県西宮市立浜脇中学校・渋谷仁崇教諭
(NIEノートについて)NIEノートは、生徒各自が興味を持って選んだ新聞記事を貼り付け、「感想」を書き込むノートです。政治、経済、スポーツ、科学、宇宙、環境など、取り上げる分野は自由です。
生徒たちは記事を毎週一つ選んでノートにまとめ、社会科の授業の冒頭に電子黒板上でプレゼンテーションします。また、お互いに発表内容をメモにとります。令和2(2020)年度末に1人1台ずつ配布されたタブレットパソコンを活用する生徒も増えてきました。課題は週に記事一つを原則としていますが、自ら進んでたくさんの記事を調べたり、記事から発展させてより深く内容を掘り下げたりする生徒も増えています。毎回、個性的な記事や世界の動きについての記事などを発表しています。
(ねらい)社会の動きに対する興味関心をさらに高め、世界に目を向け、社会的な思考力を持って、自分の意見やアイデアを表現できる人物の育成を目指しています。
(まとめ・今後の展望)成果として、全国学力・学習状況調査では「新聞を読む」と回答した生徒が全国平均を超えました。また、日本新聞協会主催の「いっしょに読もう!新聞コンクール」で学校奨励賞を受賞し、個人賞を受賞する生徒もいました。全校生で参加するなど、保護者、地域とも協力しています。保護者からも「家庭内でニュースに関する会話が増えました」「今まで新聞をとっていなかったけれど、とるようになりました」などの声も聞いています。道徳や国語、家庭科など、教科をまたいだ活動にも力を入れています。また生徒たちの書いた「社会に対する意見や感想」が神戸新聞に掲載されました。トライやる事業での兵庫県NIE推進協議会の講座では、生徒自身が取材し、記事を考え、新聞作りを体験しました。また、2025年の大阪・関西万博に向けて「SDGs」をテーマにジュニアEXPOに参加し、企業の考えを聞き、生徒との意見交換も行いました。
今後も、多面的・多角的に物事を判断できる生徒を育成する環境をつくっていきたいと思います。生徒一人一人が社会全体や世界の動きに対し、興味や関心を高め、主体的に考える力を身につける取り組みとして、NIEノートを続けていきたいと考えています。
◎参加者の感想はこちら。
渋谷仁崇(兵庫県西宮市立浜脇中学校教諭)、三好正文(兵庫県NIE推進協議会事務局長)(2021年12月23日)