兵庫県NIE推進協議会・NIEセミナー報告

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新聞の投書欄に返事を書く取り組みを説明
する近藤教諭=神戸山手女子中学高校

シンキングツールを使ったワークショップ
=愛徳学園中・高校

 2021年度のNIE兵庫セミナー(兵庫県NIE推進協議会主催)が6月23日、愛徳学園中・高校(神戸市垂水区歌敷山)と神戸山手女子中学高校(同市中央区諏訪山町)をオンラインでつないで開かれた。Zoom でも公開し、県内の教員やNIE関係者約70人、県外からは山形から熊本まで約20人が参加した。

記者による模擬授業
 時事通信社神戸総局の丸山実子総局長が「働くことで見えること」と題して話した。香港と北京で海外特派員を務めた経験を踏まえ、「多様性を理解すること、文化の違いを知ることが必要」と語り、「仕事を続けるキーワードは、好奇心とやる気、広い視野」と強調した。

 会場となった愛徳学園の高校1~3年生94人も聴講。苧阪(おさか)妃南乃さん(3年)は「他国の情報をリアルに伝える特派員の重要性を知った」、臼杵梨々菜さん(同)は「特派員として取材する怖さやチャレンジ精神を感じた。報道で救われる人がいることが心に響いた」と話した。

 2020年度NIE実践指定校への記者派遣として、丸山総局長が兵庫県立西宮高校(西宮市)で行った講演(出前授業)が好評だったので、推進協から出演を依頼した。「高校生のキャリア教育の一環としても有意義だった」との声もあった。

タブレット体験ワーク
 タブレット体験ワークは、GIGAスクール構想に対応したICT初心者向け講座を2つ用意した。2会場では、参加者全員にワークショップ用のタブレットを貸与した。

 神戸山手女子中学高校の近藤隆郎教諭が紹介したのは、生徒に新聞の投書欄への返事を書かせるワークシートの取り組みで、「主体的、対話的な学びが実現できる」と説明。プロジェクターとiPadを用いて、教室での授業と生徒宅への配信により新聞活用の幅が広がることを実感できるワークショップとなった。

 愛徳学園中・高校の廣畑彰久教諭と米田俊彦教諭が紹介したのは、新聞記事をタブレット端末上のシンキングツールで情報を分類、比較、分析する取り組みで、「考えをつくる」プロセスを体験してもらった。姫路西高校の木岡智子教諭は「実際にタブレットを使ってみて、思考を可視化しやすく、考えが深まりやすい」と話していた。

参加者の感想から
 記者授業は「人選、内容がよかった」「特派員経験のエピソードを中心に臨場感あふれる興味深い講演だった」など好評だったが、「参加者が教員、生徒などさまざまな立場で、少し対象が分かりにくい印象」という意見もあった。

 タブレット体験ワークは「(愛徳学園の)シンキングツールの活用は、新聞で扱われる社会事象の学習にフィットしている」「(神戸山手の)工夫されたワークシートで生徒同士が情報交換していく実践を学んだ」など好意的な意見が多く、ICT初心者にも分かりやすい内容だったようだ。ただ、「オンラインでは伝わりにくい」「ハードルが高い」という声や「意見交換の時間がほしかった」という要望もあった。

 貴重な意見を今後に生かしたい。対面とオンラインをどう併用するかも、まだしばらく模索が続く。

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三好正文(兵庫県NIE推進協議会事務局長)(7月8日)