教員によるNIE研究会、兵庫に新たに3グループ

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NIEで小規模校を繋ぐ研究チームの初会
合=5月18日、淡河小学校

小中高校を通じた新聞活用について話し
合ったNIE研究会の初会合=5月19日、
愛徳学園小中高校

 兵庫県内に2021年5月、教員が自主的にNIEを研究するグループが3つ誕生した。小規模校の研究会は、複数校でオンライン授業や新聞を共同製作する計画を立てている。小中高一貫校の研究会は、児童生徒が一緒にNIEに取り組むプランを練る。これで教員によるNIE研究組織は県内で5つになった。

 神戸市北区、淡河(おうご)小学校の「NIEで小規模校を繋(つな)ぐ研究チーム」はこのほど、同校で初会合を開き、同じ北区からオンライン参加した有馬小学校の教諭を含め5人が意見交換した。但馬や淡路を含め、児童数の少ない県内の数校をつないでオンライン授業をする▽各校でふるさとを取材した成果を共同で1枚の新聞にまとめ、発表する――などの案が出た。

 淡河小学校は児童数40人。児童数の少ない学校にとって複数校によるオンライン授業は、互いに多様な意見を聞き、考えを深め合う貴重な機会になる。研究チーム世話人の藤岡絵美・淡河小教諭は「児童同士が刺激を受けながら、より主体的に自分の考えを表現し合える環境をつくりたい」と話す。

 同市垂水区、愛徳学園小中高校の「NIE研究会」が同校で開いた初会合には教諭ら5人が参加した。小学校から高校まで、NIEによる学びを継続発展させるのがねらい。会合では、「SDGs」「マナー」「平和学習」など共通テーマを設けてNIE授業をする▽中高生が小学生に記事の内容をやさしく解説する▽学年別に取り組む内容を工夫する――などの意見が出た。

 彦野周子・愛徳学園小教諭は「小中高全体で、他学年と学び合い、児童が考えを深める機会にしたい」と話す。

 「NIE学校間連携研究会」(世話人=近藤隆郎・神戸山手女子中学高校教諭、日本新聞協会NIEアドバイザー)は、複数校で共通テーマによるNIE活動を実施し、地域や校種を超えた連携を考える。

 これまで県内には1991年4月に発足した明石市のNIE研究会と、2020年4月、特色ある取り組みに「NIEの実践」を掲げて開校した姫路市立豊富小中学校のNIE研究チームがある。新たに3つが誕生したことでさらに多様な展開が期待される。

三好 正文(兵庫県NIE推進協議会事務局長)(2021年6月7日)