~さんべの体験を「My新聞」に~

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 独立行政法人国立青少年教育振興機構は青少年をめぐるさまざまな課題へ対応するため、全国28か所の教育施設において、教育的な観点から体験活動等の機会や場を提供しています。10月17日(土)~18日(日)に、国立三瓶青少年交流の家(島根県太田市)では教育事業「新聞をつくろう!~さんべの体験を『My新聞』に」を開催しました。

 親子で活動することの楽しさを経験してもらうことが目的ではありますが、さまざまな体験を「楽しかった」で終わらせず、しっかり振り返りを行ってもらう方法はないものかと考えていました。そこで、今回は「思い出を誰かに伝えよう」をテーマとし、自らの体験活動を「新聞形式」でまとめることにチャレンジしてもらう事業を企画、募集したところ8家族24人に参加いただきました。

 講師に三谷徹氏(新聞教育推進協議会)、伊東広路氏(日本NIE学会/読売新聞社)、水野幸雄氏(山陰中央新報社)、和田倫寛氏(NIEアドバイザー/松江市立持田小学校)、伊藤雅美氏(NIEアドバイザー/松江市立中央小学校)の5人をお招きし、新聞の書き方やレイアウトなどを教わりながら、一人一人の思い出が詰まった「My新聞」を完成させました。

 初日は、「取材の仕方」(特にメモの取り方)について教わりました。その後、全員でボルダリング、選択活動でカローリングやサイクリング等を体験。夜には、満点の星空の下、島根県立三瓶自然館サヒメルで天体観察会を行い、きれいな秋の夜空に天の川を見ることができました。他にも、食堂や館内施設の取材など、新聞記事のネタ集めに親子で取材を行う姿が多く見られました。

 2日目は、初日の体験をもとに「My新聞」を作成しました。5W1Hを意識しながら、読み手に何を伝えたいのか、どうしたら伝わるのか、親子で試行錯誤しながら完成させました。新聞の完成後、「My新聞発表会」を行い、こどもたちはがんばった点や工夫した点を発表し、講師の方からたくさんほめてもらいました。こどもたちが新聞を作成する姿を新聞にまとめたお母さんもいました。

 「書く力やまとめる力」についてこどもたちの個人差を心配するご家族もいましたが、経験豊かな5人の講師が柔軟に対応くださり、体験を「My新聞」という形にすることができました。参加者の思い出に残る活動になっただけでなく、アドバイスや講評等を通じて、文章を書くための表現力、加えて自己肯定感も高めることができたと思います。数日後、「担任の先生に持っていったら、すごくほめてもらえた」との連絡もいただきました。参加者の作成した「My新聞」は、三瓶青少年交流の家に掲示していますので、気になった方はどうぞお越しください。

野津 孝明(国立三瓶青少年交流の家/NIEアドバイザー/日本NIE学会常任理事) (2020年11月16日)