兵庫県NIE推進協議会・実践発表会報告

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建屋小児童らによる「イングリッシュ・マラソン」の実演発表

企業経営者にインタビューして新聞を作ったことを発表する、
神戸鈴蘭台高2年の岸崎泰成さん(左)と勝占美穂さん

 2019年度NIE実践発表会(兵庫県NIE推進協議会主催)が2月1日、神戸市のよみうり神戸ホールで開かれ、県内外から教育関係者ら約80人が参加した。NIE実践指定校5校が新聞の活用法を発表した。教諭の実践報告は示唆に富み、児童生徒の実演発表は元気にあふれた。参加者の幅も広がり、今後の展開が楽しみな発表会になった。

■発達段階に応じた展開例

 実践報告は、NIE実践指定校2年目の小中高1校ずつが担当した。

 神戸市立向洋小の田中健二教諭は、朝の学習時間で子ども新聞を教材に、▽4年生は「読む」▽5年生は「記事を要約する」▽6年生は「自分の考えを述べる」といった取り組みを紹介。「新聞は子どもと社会を結ぶ扉になる」と話した。同市立山田中の荒木浩輔教諭は、気になった記事を選んで感想を書き、班でまわし読みしていると報告。「情報の取捨選択や自己表現ができるようになり、多様性の理解が進んだ」と強調した。

 県立武庫荘総合高(尼崎市)の山村康彦教諭は、読ませたい記事を配ったり、SDGs(持続可能な開発目標)に関する壁新聞作りに取り組んだりしていると報告。社会問題への意見を新聞に投書する事例も発表し「社会の一員としての自覚が高まった」とした。

 講評で、県教委高校教育課の北上景章指導主事は「小中高とそれぞれ発達段階に応じた効果的な取り組みで、学校の狙いが児童生徒にもよく伝わっているようだ」と評価した。

■児童生徒が実演

 18年度に引き続いて、児童生徒による実演発表があった。養父市立建屋小の児童9人は坂本和宏教諭、外国語指導助手(ALT)キャティ・ムーワさん、同小PTAとともに、ゲームを通じて英語を学ぶ特別授業「イングリッシュ・マラソン」を紹介。会場の参加者も巻き込んで、英字新聞のジグソーパズルなど二つのゲームを実演した。

 県立神戸鈴蘭台高(神戸市北区)2年の岸崎泰成さん、勝占(かつら)美穂さんは鶴岡愛教諭とともに登壇した。神戸の会社社長らにインタビューした内容を各自が新聞にまとめる取り組みを発表。製作中の新聞を紹介しながら「インタビューを通じて神戸がより好きになった」などと話した。会場にはほかの生徒が作った新聞も掲示され、関心を集めた。

 神戸市教委学校教育課の後藤英樹指導主事が講評。各校の取り組みを評価し、神戸鈴蘭台高について「今後も公正な立場か、根拠は確かかを確認しながら新聞製作を進めてほしい」と呼び掛けた。

■楽しみなNIEの広がり

 神戸鈴蘭台高生のインタビューを受けた会社社長やPTAも出席。推進協会員の新聞・通信各社はほぼ全社が出席し発表者に質問するなど、今後のNIEの広がりが楽しみな一日となった。

 参加者のアンケートの回答は好意的なものが多かったが、「家庭に毎朝新聞が届く風景がもはや当たり前ではないという事実は重い」など購読率の低下を危惧する声や、「新聞・通信各社との交流の場、意見交換の場を設けてほしい」との要望もあった。参加者の声を受け止め、改善を加えていきたい。

三好 正文(兵庫県NIE推進協議会事務局長)(3月6日)