NIEでの防災教育をさらに進めるために

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被災地を訪ねて

 ここ数年、NIEを取り入れた防災教育に取り組んでいます。担当する児童が東日本大震災に関する記事を読み、防災の大切さについて学ぶ学習をさまざまな教科領域で行っています。

 東日本大震災から8年半がたちましたが、その間にも日本はたくさんの災害に見舞われました。自分の身は自分で守れるように、普段から備えておくことが大切です。教師も災害について、そして防災について学ぶ必要があると考えています。そこで、毎年東日本大震災の被災地を訪ね、防災について考えるようにしています。

 今回は宮城県気仙沼市、そして岩手県陸前高田市、釜石市を訪ねました。海岸近くではがれきなどはきれいに片づけられていますが、まだまだ復興にはほど遠いという印象を受けました。被災地の新聞を読むと、震災関連の記事がたくさん掲載されています。しかし、首都圏で発刊されている新聞では、被災地のものと比べて震災のことが多く取り上げられているとは言えません。震災から8年半たった今だからこそ、いつまでも震災を風化させないための取り組みが必要です。そこで、現地に赴いて様子を見ることが必要だと考え、今回の被災地巡りを行いました。

震災の遺構を見て!

 今回訪ねたのは、まず気仙沼市の旧気仙沼向洋高等学校です。ここは伝承館も併設されていて、震災当時の様子を映像などでも見ることができます。この高校は4階まで津波に襲われたそうです。3階の教室の中には流れてきた自動車が残されていました。生徒が使っていた教科書や先生方の資料などもそのままにしてあり、当時の様子を生々しく伝えていました。

 次に、陸前高田市の奇跡の一本松を見学しました。一本松については新聞を活用して道徳の学習で取り上げたことがあります。一本松が地域の人々の復興への思いを支えていることを学んだのですが、今回実際に一本松を見ることができ、何もなくなった高田松原の中に力強く立っている姿を地域の方が見て、心の支えにしているのだということを改めて感じることができました。

 最後に、釜石市を訪ねました。児童生徒が普段からの避難訓練を生かし、いのちを守り「釜石の奇跡」と言われた小学校を訪ねることができました。実際に子どもたちが避難した場所を見ることもでき、普段から震災に備えておくことがどんなに大切かを改めて認識できました。

防災教育を進めていきたい

 昨年度、児童と新聞記事から東日本大震災について学ぶ学習を行いました。震災についての記事を書いた記者が、読者にどんなことを伝えたいと考えているのかを読み取る学習を行いました。そして、実際に記事を書いた記者を教室に招き、児童の考えを聞いてもらうことができました。この学習は国語科の学習として行いました。

 現在、防災教育は特別活動や総合的な学習の時間で行われることが多いようです。しかし、各教科等の授業においても折に触れて防災をテーマとして取り上げることで、児童の防災意識が高まるのではないかと考えています。これからも、教科での防災教育について考えていきたいと思っています。

菊池 健一(さいたま市立海老沼小学校教諭/NIEアドバイザー)(12月2日)