NIEの大先輩からの学び

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NIE研修会

 夏季休業期間に埼玉県NIE推進協議会主催の「NIEセミナー」が開催されました。研修会で講師を務めたのは、中学校教員として長年NIEの実践を積み、新聞社のNIE企画デザイナーとして全国の教員の指導に当たってきた、鹿野川喜代美先生です。私もかつて、新聞活用についてご指導いただきました。

 当時、鹿野川先生からは新聞を丸ごと使って活動する大切さや、新聞を使うことで子どもたちが社会とのつながりを意識しながら学習できることなどを学びました。それから10年以上、自分なりに実践を積み重ねてきましたが、さらにステップアップするために、もう一度先生の指導を受けたいと考えました。

豊かなNIEの活動

 研修会では、「囲み取材を体験しよう」というワークショップが行われました。最初に3~4人でグループを作り、全員が夏休みの思い出などを話します。その後で話を詳しく聞いてみたい1人を選んで、他のメンバーが囲み取材(※取材対象を取り囲んで自由に質疑応答を行うスタイルを指すが、ここでは"インタビュー"の意)をします。そこで聞いた話をもとに、取材相手の人となりを10字以内で表現し、発表しました。鹿野川先生はこの活動を通して、新聞の「見出し」の重要性に気付かせることを強調していました。

 また鹿野川先生は、新聞写真を使う効果についても強調しました。参加者の教員にたくさんの新聞写真を見せ、気になった写真についてスピーチする活動を行いました。そして、その後に教科書の学習に入ることで児童の興味関心が高められ、授業が豊かになっていくと話していました。

 私はこれまで、新聞の見出しを当てる活動や、自分の書いた作文に見出しを付ける活動を行ってきました。見出しの効果や重要性に気付かせるためです。しかし、今回のワークショップで行ったインタビュー取材からの表現活動を行うことで、児童の対話的な活動も促され、より豊かな活動になっていると感じました。私も新聞に掲載されている写真を授業で積極的に活用していますが、写真を「授業でどのように生かすのか」を明確にしておくことで、児童に示す新聞写真を選ぶ際にも役立つことに改めて気がつきました。

これからも進んでNIEを

 これまで私なりにNIEの活動に取り組んできましたが、今回の研修会からNIEの新しい指導のためのヒントをもらいました。今回の学びを生かして、2学期には新聞の「見出し」を使った実践や、新聞の写真を活用した実践をしてみたいと思っています。 

 例えば、授業の終わりに、授業のまとめを10字ぐらいの見出し風に表現させてみることや、新聞写真を示して児童が写真を見て分かることをたくさん発表させながら、教科書の内容にいざなっていくような授業を考えています。

菊池 健一(さいたま市立海老沼小学校教諭/NIEアドバイザー)(2019年8月27日)