社会科新聞を国語に生かす

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社会科見学で学んだことを新聞にまとめる

 担当する小学3年生では、社会科見学でさいたま市の名所を訪ねます。今回訪ねたのは埼玉県の伝統産業の一つである盆栽を紹介する「さいたま市大宮盆栽美術館」です。美術館では、盆栽の歴史や育て方、盆栽の見方などについて職員の方に解説していただきました。児童は、学校に戻ってからさらに気になったことを調べたり、美術館の方に手紙で質問をしたりしました。その成果を生かして「盆栽新聞」を作ることにしました。

 児童は普段から新聞を活用して学習しているので、新聞にまとめることが大好きです。盆栽について知りたいと思ったことや調べて分かったことを、「見出し」「絵」「文」の構成で新聞にまとめることができました。

社会科新聞を国語に生かす

 3年生の国語科の学習で「すじみちを通して伝えよう」という単元があります。自分の一番伝えたいことを分かりやすく発表できる力をつけることを目指しています。教科書では、自分の宝物について発表するためのメモや構成表を作って発表原稿を書き、友達に発表をする例が載っています。

 この単元で、社会科で作成した新聞を生かして、国語科の授業を進めることにしました。作成した新聞を使って、盆栽について分かったことの中から一番伝えたいことをしっかりと友達に伝えるという視点で学習を計画しました。

 児童は、発表するためのメモや構成表を丁寧に作成して発表原稿をまとめることができました。クラスの中には、書くことが苦手な児童が何人かいますが、社会科見学の内容を題材にしているので、教師の私も児童へ助言がしやすいと感じました。また、友達同士でもアドバイスをし合うことができていました。

 発表会でも児童は社会科見学という共通の経験をしているので、友達の発表を真剣に聴いていました。そして、友達の発表に対して質問や感想をたくさん出すことができました。

今後の活動にさらに生かしていく

 今回、国語の学習と社会科の学習を連携させることで大きな成果がありました。児童は今回学んだ発表原稿の作り方や発表の仕方などを生かして、他の教科等でも伝えたいことを効果的に伝える工夫をしていけると思います。

 2学期には、お菓子工場や人形工場への社会科見学があります。その学習でも新聞づくりを行い、国語の学習と連携させ、伝えたいことを書く活動に生かしていきたいと考えています。

菊池 健一(さいたま市立海老沼小学校教諭/NIEアドバイザー)(2019年7月26日)