兵庫県NIE推進協議会・NIEセミナー報告

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田中コーディネーターによる人権学習のワークショップの様子

 2019年度のNIE兵庫セミナー(兵庫県NIE推進協議会主催)が7月5日、神戸市中央区のよみうり神戸ホールで開かれ、兵庫県内外の小中高校や大学の教員ら約50人が参加した。

■記者による模擬授業

 共同通信社神戸支局の儀間朝浩支局長が、2003年のイラク戦争で米軍の従軍記者だった体験などを語った。2018年度、NIE実践指定校への記者派遣の一環として、儀間支局長が兵庫県立津名高等学校(淡路市)で行った講演を再現した。参加者からは「『伝える』ことの使命感の強さに感動した」などの感想が寄せられた。

 記者派遣はNIEの取り組みの柱のひとつであり、今後も教員に模擬授業を見てもらう機会を増やしたい。

■コーディネーターによる人権学習のワークショップ

 同協議会の田中茂典コーディネーターと事務局の山畑が担当。性別を巡る不適切な取材をしたテレビ番組が批判を受けた問題について、児童生徒役の教員らがグループで討論。続いて「自分がされたら嫌なこと」を模造紙にまとめた。今回はテーマのひとつが人権問題とあって、犯罪被害者の支援団体からも参加があった。田中コーディネーターらは7月1日、兵庫県内の中学校でも同様のワークショップを行った。人権意識はよりよい社会づくりのベースだ。NIEの取り組みのなかで、教員や児童生徒とともに考えていきたい。

■推進協からNIE展開の提案

 同協議会の秋田久子会長が新聞を活用した授業例を紹介した。①コラムを書き写す②気になるテーマを定点観測し、自分の将来について考える―などで、秋田会長は「答えがわからない問題を考え続ける体力を身につけることが大切」と強調し、会場から「共感した」との声が上がった。さまざまな実践例を示すことで、多くの学校がNIEに参加しやすい素地をつくることが大切だと考える。

 さらに秋田会長は、新聞紙面とネットニュースでの記事の取り扱われ方の違いを示し、ニュースを価値づけして読者に提供する新聞の有益性と、教育の中で新聞を用いる有用性に触れた。

■参加者の感想から

 「NIEにどのような教育効果が期待できるかがよく分かった」「NIE展開はあすから実践できる提案があり、参考になった」「ワークショップの発問の仕方や結論への導き方が参考になった」など好意的な意見が多かった。一方で、「ワークショップでは参加者(大人)と児童生徒の感覚の差も示してほしかった」「人権は簡単には教えられない。工夫したい」などの意見もあった。参加者の声を受け止め、今後、よりよいセミナーを模索していきたい。

三好 正文(兵庫県NIE推進協議会事務局長)(7月9日)