出前授業と生活を新聞でつなぐ②

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 前回のリポートで、税務署の職員による租税教室の取り組みを紹介しました。税の種類やどのくらいの税が集められているかなどを解説していただき、児童は主な税として「所得税」「消費税」「法人税」などがあることを学び、それが自分たちの身の回りのいろんなことに使われていることを理解しました。また、児童は普段のNIE学習で新聞に親しんでいるので、最近は消費税関係のニュースが多いことに気がついていました。普段の学習で、児童の税や財政への関心がとても高まりました。

 その学びをさらに深めるために、NIEを取り入れ、日本の財政に関する記事を児童とスクラップする活動を行いました。最初にスクラップした記事は、日本の予算について取り上げられた記事です。約97兆円の予算がクラスに関係のあるさまざまなところで使われていることを理解できました。

「社会保障にたくさんの税金が使われているね」

「さいたま市では僕たちの医療費が無料だけど、ここにも税金が使われているんだね」

「学校の先生を増やすためにも今年はたくさん税金が使われているよ」

 など、記事を読んで気がついたことを話し合っていました。

 次に、日本の抱える借金について取り上げた記事をスクラップしました。日本が現在抱えている借金は1千兆円を超えており、国民1人当たり800万円ほどになることを知りました。そして、少子高齢化が主な原因であることも記事から読み取りました。

「これからお年寄りがもっと増えるから、さらに借金が増えるかもしれない」

「子供が増えていかないと、借金が返せなくなるかもしれないよ」

 など、感想を述べながら、これまでは全く意識していなかった日本の財政について興味をもってきました。

財務省による出前授業の実施

 児童が日本の財政について関心をもってきたタイミングで、次の出前授業として、財務省の関東財務局の方による「財政教育プログラム」の授業を取り上げました。財務局では、無償でこの特別授業を実施しています。

内容は、児童一人ひとりがまず日本の予算を社会保障や教育、防衛など、いろんな項目にどう振り分けるかを考えます。そして、グループごとに話し合い、オリジナルの予算案を立てて発表し合います。児童は日本の財政について、事前に行ったNIE学習で興味を高めているので、とても真剣に話し合っていました。また、日本の財政に関わっている財務省の職員の方がゲストティーチャーなので、たくさんの質問もしていました。

 考えた予算案について財務局職員からコメントをもらうことができ、児童はとても満足していました。

さらにこれからの学びに生かす

 前回の税務署の租税教室と今回の財務省による財政教育プログラムによって、児童は日本の財政について興味をもつことができました。そして、主体的に日本の未来を考えることもできました。これからも、児童には継続して学習を続けていってほしいと思います。

 そこで活用できるのはやはり新聞です。来年の消費増税に向けて、政府がさまざまな政策を行うことになると考えます。また、年度末には来年度の予算案に関するニュースも多くなります。それらを児童に紹介しながら、児童自身と学びを深めていきたいと思います。

菊池 健一(さいたま市立海老沼小学校教諭/NIEアドバイザー)(12月14日)