北信越ブロックNIEアドバイザー・NIE推進協議会事務局長会議報告

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 2017年度の北信越ブロックNIEアドバイザー・NIE推進協議会事務局長会議が11月24日(金)、金沢市の北國新聞会館で開催され、北信越5県から20人が参加しました。各推進協議会の活動発表や意見交流を行いました。

Ⅰ 開会あいさつと基調提言

 石川県教育長(石川県NIE推進協議会会長)の開会あいさつ後に、日本新聞協会NIEコーディネーター関口修司氏から「新学習指導要領とNIE」というテーマで基調提言がありました。3月に公示された新学習指導要領の中には、総則や国語科・社会科などに数多く新聞活用に関する項目があることや、NIEが主体的・対話的で深い学びを習得するためにとても有効であるという話がありました。そのためにも、平素から新聞に親しませる環境の整備・朝の会などにNIEタイムを設けるなど、隙間時間を利用したNIEの日常化が大切なことが分かりました。

Ⅱ 推進協議会の取り組みと交流

1 第5次「学校図書館図書整備等5か年計画」

 日本新聞協会の中畑氏より、学校図書館図書整備等5か年計画について説明があり、新聞配備の地財措置が2017年度から約30億円(単年度)へと倍増されることになりましたが、現在小中学校の約6割は、学校図書館にも新聞が配置されていない状況であることが分かりました。教育委員会への働きかけを行い、複数の新聞を読み比べることができる主権者教育に役立つ環境整備の充実が必要だと感じました。

2 各県推進協議会の取り組みと課題

長野県

 ・年間30校ほどの公開授業の実施

 ・「いっしょに読もう新聞コンクール」への積極的参加

 ・主権者教育の推進(高校1年生...模擬投票など)

 ※「すべての教室へ新聞を」実施校...12校

新潟県(2017年度新規事業の説明)

 ・新潟市学校司書実務研修「学校図書館とNIE」

 ・「記事の著作権(活用の範囲と留意点―デジタル版も同様―)」を学校関係者に配布

 ・啓発ポスター「新聞は私のミカタだ。」を県内高等学校に配布

 ※実践・研究委嘱校...12校(小6、中4、高2。このうち1年目7、2年目5。)

富山県

 ・協議会会長は県中学校校長会会長

 ・NIEアドバイザーは、県内二つの教育事務所から指導主事2人ずつの計4人

 ・11/16 NIE研究発表会(小1校・中1校)

 ・計画性・簡単に取り組める実践が課題

石川県

 ・実践指定校の報告書「石川県のNIEの記録」を県内の小中学校、高校、県教委、市教委に配布

 ・協議会総会年1回

 ・アドバイザーの設置、学校全体への活動の拡大、学校評価への反映、大学生対象のNIE、司書教諭との連携が課題

福井県

 ・「いっしょに読もう!新聞コンクール」の推進...19校から2,062点の応募

 ・教育研究会の拡充...NIEセミナー(年3回)、

 ・県教委主催「新聞を活用した教育研修会」(悉皆研修)...五つの実践校(2年目)の発表、七つのワークショップ(アドバイザーが講師)

 ・福井大学「教員免許更新講座」 (NIE教育研究会が講義や実践発表で協力)

 ・県NIE教育研究会は「新聞活用の日常化・カリキュラム化の推進」を研究主題として活動

 ・実践校の指定終了後のフォロー、高校の取り組みの活性化、財政問題、学校図書館へのアプローチが課題

3 意見交換

二つのグループに分かれ、「新学習指導要領とNIE」をテーマに意見交換を行いました。

グループ1

 ・新聞離れしている若手教員へのアドバイス

 ・新聞に日常からふれる工夫

 ・NIEが好きになれる環境の整備

グループ2

 ・新聞社と連携したワークシートづくり(答えが一つではない問いづくりで、育成すべき学力を育成)

 ※新聞社作成、教員作成、親子作成、児童生徒作成のワークシートあり

 ・記事のデータベース公開の必要性

 ※記事を分野別に分類し、メール登録者に送信

 ※学校で使いやすい料金体系を熱望

 

 まとめ

  関口コーディネーターが、北信越5県の取り組みに対し感想を述べました。

 授業公開の多さ、学校・行政・大学・図書館へと組織拡大、組織で取り組む実践、行政の力を借り教育課程へのNIEの位置づけ、研修の充実と新聞記事のデータベース化など、北信越ブロックの取り組みにはすばらしいいものがあるとまとめがありました。

 3時間という短い会合でありましたが、基調講演、各県の取り組み、意見交換から、

 ・新聞を使った方が、より教育効果が上がる単元を紹介するNIEのカリキュラム化

 ・教員にも負担なく、児童生徒が毎日楽しく取り組む活動によるNIEの日常化

 ・教員や児童生徒が、新聞記事を検索できるデータベースの存在

  が、これからのNIE実践に大切なことだと感じました。

4 次期開催地について

  北信越5県一巡したので、来年度は福井県開催

無量小路宗洋(越前市味真野小学校教頭/NIEアドバイザー)(2018年1月10日)