北海道・東北ブロックNIEアドバイザー・NIE推進協議会事務局長会議報告
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教育効果の検証を
北海道・東北ブロックNIEアドバイザー・NIE推進協議会事務局長会議が9月24日(土)、福島民報社民報ロイヤルホールで開かれた。
はじめに遠藤義範・福島県NIE推進協議会代表幹事(福島民報社常務取締役販売担当)の挨拶があり、続いて関口修司・新聞協会NIEコーディネーターから「NIEの教育的効果を考える」と題した基調提言がなされた。
関口コーディネーターは、全国学力・学習状況調査をもとにNIE実施前と実施後について比較し、NIEの教育的効果として、国語、算数の平均点の向上はもとより、児童が「地域・社会の出来事に関心をもつ」「読書が好き」「長い文章を書くことが苦にならない」など学ぶ力の向上にもつながっていると指摘。これらの教育的効果について検証を進め、精度を高めていこうと呼びかけた。また、NIEをすき間の時間等を利用して無理なく楽しく継続していくこと、教師主導から「子供主動」によりよく変容させていくことなどについて熱く語った。
推進協議会の取り組みと交流
(1)各県推進協議会の取り組みと課題
北海道、東北のそれぞれの推進協議会の取り組みと課題について報告がなされた。以下にその一部を紹介したい。
- 実践報告書掲載文から優れた報告を校種別に表彰する「実践報告表彰」をスタートし、受賞教師による実践内容についてのミニ講演を行っている。
- 学校図書館への新聞配置の予算化や、教師の各種研修へのNIE講座の設置などを要請している。
- NIE学習会で新聞活用の実践例を報告するなど教員のスキルアップを目指し情報交換を行うとともに、NIE実践報告会で実践指定校教諭等による実践発表、新聞社支局長による講演を行った。
- 面積が広いために活動の有機的なつながりが進まない。地区セミナーを手がかりに、地域ごとの人脈や連絡体制の構築を考えたい。
- 実践指定校教諭の組織化を試みたが、過去に頓挫した経緯がある。先進県のノウハウを知りたい。
(2)グループ討議
参加者を6人ずつ、3グループに分け、グループ討議を行った。それぞれのグループにおいて各県、各校等の実践や実情、課題等について情報を共有するとともに、互いに学び合う姿が見られた。
以下にそれぞれのグループの主な討議内容を示す。
- データベースの活用について行政の支援が得られて進んでいるとの報告があった。学力向上などをアピールし、新聞の提供とともに行政の理解と支援が得られればよい。
- NIEアドバイザーが最寄りの地区セミナーでパネルディスカッションのコーディネーターを務めたり、新聞でリレー執筆を依頼したりするなど、活 躍の場を設けている。
- 記事を比較し、各新聞社のニュースの捉え方の違いに気付かせると、生徒が新聞に興味を持ちやすい。
- 高校については、学校全体でNIEに取り組むことは困難。教科部会でNIEの指定を受け、NIE英語研修会で実践報告を行った。
- 県が広いため、研究会などのために教員が各地から集まることが困難であるが、県内を地区ごとに分けて教員の小規模なネットワークをつくることや、負担の少ない実践の仕組みをつくることを模索していくとよいのではないか。
(3)まとめ
- 管理職だけでなく担任も含めて、カリキュラムマネジメントを行っていくことが求められる。
- NIEを推進するためのネットワーク化について課題が出されていた。掲示板の活用なども検討していきたい。
- 教材価格について周知し、一人一紙届けられるよさについて活用していきたい。
- 新聞のデータベースの活用について話が出された。データベースの利用については、新聞の価値を高めることにつながる。さらに本物の新聞にまで手を伸ばす子供の育成を求めたい。また、学校図書館に新聞を配置することによってNIEがさらに活性化されることにつながる。
- NIEタイムなどシステム化することが大切である。教員の人が変わっても型を残していくことでつながっていくようにしておきたい。
- NIE研究会については深く掘り下げるもの、裾野を広げるものの二つの方向性があるのではないか。それぞれの特長を生かして研究会をよりよいものにしていきたい。
- NIEは、間違いなく新学習指導要領、またアクティブ・ラーニングの方向性と一致する。
増子春夫(福島県・白河市立五箇小学校校長/NIEアドバイザー)(2016年10月13日)