新聞写真を活用したNIE学習

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4学年国語科(教育出版の教科書)で、お気に入りの写真を友達に紹介する単元があります。学習指導要領に例示された「図表や絵、写真などから読み取ったことを基に話したり、聞いたりすること」という言語活動を具現化した単元です。教科書では、虫などを取り上げたいくつかの写真が示されており、その中から児童がお気に入りの写真を選んで、写真から気付いたことや想像したことなどを発表メモにまとめて、友達に発表するという流れになっています。

今回、この単元の学習素材として「新聞写真」を活用しました。児童が教科書に例示されているものではなく、社会の縮図である新聞から、自分が紹介したいと思う写真を選ぶことによって意欲が高まり、新聞や社会的な事象への関心も高まるのではないかと考えました。この単元はNIEを導入しやすい単元であると感じます。

単元の導入で、教師が選んだ新聞写真を示し、児童と新聞写真に見出しをつける活動を取り入れました。新聞写真は海で泳ぐイルカを撮影したもので、児童は意欲的に見出しをつける学習を行いました。そして、自分が考えた見出しを友達と発表し合い、同じ写真でも友達同士で見る視点が違うことにも気が付きました。この学習の後に、これから、教科書で写真紹介の仕方を学び、最後に自分が選んだ新聞写真を友達に紹介する活動を取り入れることを告げました。児童は普段からNIE活動を行っており、新聞に興味をもっているので、自主的に自宅で購読している新聞から紹介したい新聞写真を探し始めました。

教科書の学習で写真紹介の仕方を学んだ児童は、早速自分が選んだ新聞写真のスクラップに取り組みました。当初、新聞写真を選べない児童がいるのではないかと思い、その児童のために教師が推薦する新聞写真を用意しておきましたが、ほとんどの児童が自分で写真を選ぶことができました。普段からNIEに取り組んでいる効果が出ていると実感しました。

新聞写真をスクラップした後は、その写真から気付いたことや想像したこと、そして一番伝えたいことを「見出し」としてまとめ、紹介スピーチをするためのメモをまとめていきました。児童は紹介したい写真を自分で選んでいるため、大変意欲的に学習に取り組み、1時間の時間内でメモをまとめることができました。そしてこのメモを生かして、友達に上手に自分の選んだ写真を紹介することができました。

菊池 健一(さいたま市立海老沼小学校教諭/NIEアドバイザー)(2016年7月11日)