北海道・東北ブロックNIEアドバイザー・NIE推進協議会事務局長会議報告
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ブロック会議で成功体験を共有! さらなるNIEの裾野を広げるために
北海道・東北ブロックNIEアドバイザー・NIE推進協議会事務局長会議が10月3日(土)、北海道新聞社会議室を会場に開かれた。アドバイザー、推進協議会事務局長ら34人が参加し、「NIE全国大会秋田大会を経て~北海道・東北ブロックでのさらなるNIEの広がりを見据えて」をテーマに話し合った。
(1)はじめに
最初に、寺澤北海道新聞社取締役経営企画局長から、「若い新聞読者をどう育て、活字文化をどう育てるか。新聞には教科書とは違った役割があり、その教育効果の成功体験を共有できる場にしていただきたい」と開会あいさつがあった。続いて高辻北海道NIE推進協議会会長から、北海道におけるNIE推進の推移と、NIE推進協議会事務局の役割と今後の課題について話があった。
(2)組織的に行うNIEとは
「組織的に行うNIE NIEの日常化・カリキュラム化を軸に」と題し、吉成日本新聞協会NIEコーディネーターから報告があった。
「NIE30年。問題の一つは継続しないこと。広がりは見せても、つなぎ・深めるのが弱い。組織的な取り組みに向け、カリキュラム化と日常化がカギとなる」
その方策として、
- 校長が学校経営の基本方針に明文化すること。それにより、教育委員会・地域・保護者が学校ぐるみでNIEに取り組んでいることを認知することとなる
- 全教科・領域、全教員が普通に、当たり前にNIEに取り組める「真のカリキュラム化」を進めること。NIEにスペシャルな先生がスペシャルなことをしているのではなく、「どこでも いつでも だれでも 新聞活用」できる体制を構築することが重要
また、今後のNIE普及促進について、「将来、『スーパーNIEスクール』など、新聞活用教育の拠点校が作られることを夢として描いている」と、全国各地の先進校の例を提示しながら、熱い思いが披露された。
(3)第20回NIE全国大会秋田大会を振り返る
「第20回NIE全国大会秋田大会を振り返る」と題し、大石秋田魁新報社読者局NIE推進部次長から話があった。
「3年計画で全国大会開催に向け、県教委・市教委・学校・先生方に働きかけを行い、一個人に任せるのではなくチーム・組織化を念頭に進めてきた。また、「ほかの人が真似できないことをやっては大会後につながらない。オーソドックスではあるが、着実な積み重ねを感じられる授業を公開する」というコンセプトのもと、研究授業を設定した」
ここでも「日ごろの実践・授業をいかに大切にするか」ということについての言及があり、重要なポイントであると感じた。
(4)NIEの普及を促進するために
各県推進協議会から、「NIEの普及を促進するために」行っている取り組みについて報告があり、交流した。各地区それぞれの特色をいかし、また課題を抱えながらも、NIE推進のため努力している姿がうかがえた。
具体的には、以下のポイントが挙げられた。
- セミナーや実践交流会、公開授業研など、研修会の開催
- ワークシートやリーフレット等、授業や家庭学習への支援
- 出前授業への記者派遣
- 新聞社見学の対応
- 実践指定校の拡大
- NIEアドバイザーの増員
- NIE全国大会に先生方を派遣する支援
- 県・市町村教育委員会への啓蒙活動
- 販売店との連携、理解促進
(5)全体討議 教師の自主的研修組織とNIEアドバイザーの役割について
最後に全体討議を行い、「教師の自主的研修組織とNIEアドバイザーの役割について」をテーマに話し合った。主に、後段の「NIEアドバイザーって、何をしたらいいの?」という部分を中心に率直な話し合いを行った。
まず吉成コーディネーターから、アドバイザーへの期待として次の6点の提示があった。
- 自分の勤務校・所属で、自らNIE実践
- 自校の他の先生、隣の学校の先生、市町村また県などの先生にアドバイス
- 教育行政への働きかけ
- 各県協議会活動(セミナー等)の企画・運営の協力
- 県内のネットワークづくり
- 全国各地の声を新聞協会に
上記を受け、各アドバイザーから実践活動や悩みについて報告があった。
[NIE普及に向けて]
- 自分のできるところから、まず自校のNIE研修から始めている
- 無意識で新聞を使っている実践を、さらにアドバイスしていく
- 転勤した先生にフォローしている
- 理解ある管理職に出会えたとき、指定校を受け実践を深めることができた
- セミナー参加者の登録、ネットワーク化を進め、資料や案内を送付していきたい
- 高校の組織がなく、ネットワークづくりを進めている
- 地区内また他地域との交流に力を注いでいる
- 月一回ペースで新聞学習会を定期的に開催
- 大学ゼミにNIE講座を取り入れている
- NIEと図書館を連携し、日常化を図った
- 校内で新聞購読の予算付けができ、子供たちが自然と新聞に触れることができた
- 実践指定を教科限定で受け、ピンポイントで実践を深めている
- 教育委員会と連携し、町ぐるみでNIEを推進している
[NIE実践例]
- 週末の課題に、新聞記事のワークシートを活用している
- 自校の他の先生、隣の学校の先生、市町村また県などの先生にアドバイス
- 新聞社のワークシートの活用
- 朝のNIEとして、みんなが読める簡単な記事を配布した
- 天声人語を毎日書き、コメントする取り組み
- 日常のコラム読みから、読書の習慣化へ
- 「社説」「コラム」の授業での実践例。ことあるごとに、実践交流や資料提供がほしい
- 教科書から図書館、NIEへの発展を意識している
- 新聞を読むことが「カッコいい」という意識を生徒に伝えている
- NIEには、ジャーナリズムの刻々と変化する楽しさ、新鮮さがある
[アドバイザー会議について]
- アドバイザー会議で知り合った先生に講師をお願いした
- 公立と私立の交流をもてるのが、アドバイザー会議の楽しみ
- アドバイザーとしての特典がもっとあってもいいのでは
たくさんの意見が出され、時間が押してしまい、最後のまとめができなくなってしまうほど。閉会後も、2018年の岩手県での全国大会成功に向け、北海道・東北ブロックの一層の緊密な連携と協力を固く誓い合った。
野上泰宏(浦幌町立上浦幌中央小学校校長/NIEアドバイザー)(2015年10月15日)