平成25年度埼玉県NIE推進協議会実践報告会開催

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2月18日に、教育に新聞を活用するNIE実践報告会(埼玉県NIE推進協議会主催)が、さいたま市の埼玉大学教育学部教育実践総合センターで開催された。

埼玉県教育局市町村支援部義務教育指導課の吉田元主任指導主事、さいたま市教育委員会学校教育部指導1課の津田顕吾主任指導主事を来賓に迎え、会長の斉藤亨治(埼玉大学教育学部長)の挨拶の後、小中高9校の実践報告が行われた。

1.小学校の部では、さいたま市立柏崎小学校、所沢市立北小学校、長瀞町立長瀞第二小学校、羽生市立羽生北小学校の4校の発表が行われた。実践報告後、菊池健一NIEアドバイザー(さいたま市東宮下小学校)は、「教師自身が新聞に親しむことが何よりも大切。続けることが大切」などと話した。中山正則NIEアドバイザー(越谷市立大沢北小学校)は、「新聞記事を読む⇒意見を交流する(話し合う)⇒自分の意見を書く」という活動を通して、言語能力、情報活用能力を高めていくことが大切で、年間指導計画にきちんとNIEを位置づけて実践しておくことが継続の鍵となると述べ、体験は、表現の源で、体験を記事にした新聞づくりが大切などと話した。また、所沢北小学校の報告で出された佐賀県武雄市のタブレットを用いた反転授業の記事について、佐賀新聞がタブレット授業と連携した取り組みをしていることが紹介された。今後、NIEとデジタル記事の活用は、全国の学校での課題となるだろうとの発言もあった。あわせて、昨年12月25日に文部科学省の学力調査のクロス集計報告に、NIEの価値が示されていることが紹介された。

報告を通じ、一人一人の教職員の実践が共有され、新聞活用、新聞づくり、新聞についての学習の三分野を通して、全教職員へと広めていくことの大切さを確認できた。

2.中学校の部では、さいたま市立大谷中学校、さいたま市立西原中学校、草加市立青柳中学校、春日部市立豊春中学校の4校の報告があった。大谷中からは、「国語だけでなく、数学などでも新聞を授業に取り入れることで、生徒が生き生きと学習に取り組み、学力向上につながっていること」が報告された。豊春中からは、1年目は特定の先生が中心であったが、2年目からは、学校全体の取り組みになっていったことが紹介された。報告後、小谷野弘子NIEアドバイザー(さいたま市立大宮西中学校)から講評があった。

3.高校の実践例として、1年目の埼玉県立川越女子高校の佐藤弥生NIEアドバイザーから、国語科におけるNIEの取り組み、SSH(文部科学省のスーパーサイエンスハイスクール)をきっかけにしたNIEと教科間連携の取り組みが報告された。出生前診断を事例に、生物分野で学び、国語科での新聞記事を使った考察の課題へと発展させた取り組みが紹介され、NIEや教科間連携で、学問分野間のつながりや社会とのつながりが見えてくる、NIEを教科間連携に生かせないか、という問題提起がなされた。

おわりに、赤池幹NIEコーディネーターの全体講評があり、盛会の中で実践報告会を終了した。今後、3月14日(金)18:30~大宮JACK5階会議室での学ばナイト、また、6月には総会などが予定されている。

NIEアドバイザー/越谷市立大沢北小学校拠点校指導教員 中山正則(2014年2月26日)