被災地の様子について地図を片手に想像する

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 現在、ある新聞社では、東日本大震災被災地の、その後の様子について取り上げた特集を行っている。被災地の様子を写した新聞写真とそのレポートから、被災地では今も復興がままならない様子であることが分かる。この特集を使ってぜひ児童にも被災地の方のことについて考えてもらいたいと考えました。

 

 児童が登校する前に、クラスのNIEコーナーに新聞記事を貼っておきました。今回の記事は岩手県の釜石市で、東日本大震災の際にお母さんとお兄さんを亡くした4歳の女の子が、うちに「早く帰ってきてね」と書いた絵を飾っているというものでした。児童はその写真を見て、すぐに被災地の写真であることに気がつきました。そして、地図帳で岩手県の釜石市を調べ始めました。

 「先生、ここは本当に海に近いから大きな津波が来たんだろうね」


 「前にゲストティーチャーできてくれた記者さんがいた宮古市の近くだから、すごく被害が大きかったんだろうね」


 「記事に出てくる女の子はとっても怖かっただろうね」

と、感想を述べ合っていました。地図を広げることで記事と自分の距離が縮まり、被災地の様子を想像しやすくなったのではないかと思います。

 

 この日の夜に、三陸沖で再びM7.3の大きな地震がありました。

 さいたま市でも震度4を記録しました。児童はこの地震があったときにどんなことを思っていたのだろうかと考えました。きっと、記事で読んだ岩手県の釜石市のことに思いをはせたのではないでしょうか。
 

NIEアドバイザー/さいたま市立東宮下小学校教諭 菊池健一(2012年12月11日)