新聞は地域の姿映し出すメディア

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「北海道の大雪山系ではスキー場が早くもオープン」
2007年11月20日付北海道新聞夕刊
(北海道新聞社提供)

「社会科の勉強で北海道のことを知りたいので教えて」と、中国地方の小学校の先生から北海道新聞NIE推進委員会に依頼がありました。早速、季節の話題や豊かな自然、産業などが載った新聞を送りました。「北海道の最新の情報」が分かる生きた教材として活用されました。

北海道は11月になると雪が降り、ひと冬で15メートルを超える雪が降る地域もあります。気温が氷点下30度になる所もあります。南北に長い日本では、気候はずいぶん違いますね。

こうした地域の姿を映し出すのも新聞の役割です。北海道新聞(本社・札幌)は北海道全域で読まれています。北海道は面積が日本全体の22%を占める広大な地域のため、複数県をエリアとする中日新聞(名古屋)、西日本新聞(福岡)とともに「ブロック紙」と呼ばれています。

ブロック紙は地域のきめ細かなニュースから全国、海外のニュースまで幅広く伝えるのが特色です。道新は西日本新聞、中日新聞(首都圏では東京新聞を発行しています)とともに新聞3社連合をつくっていて、記事の交流も行っています。さらに、3社は各地の主な新聞とも交流があり、全国をカバーできる体制です。それぞれの新聞社が写真と記事を出し合う「列島フォトリレー」は、日本の北から南までさまざまな地域の息吹を肌で感じることができる教材、とも言えるでしょう。

「北海道洞爺湖サミット」の
開催決定を報じたスクープ記事
2007年4月21日付北海道新聞夕刊
(北海道新聞社提供)

ところで、「食の安全と信頼」が昨年から大きな社会問題になっています。北海道では残念ながら食肉偽装事件が起きました。牛肉に豚肉や鶏肉を混ぜたものを「牛ひき肉」と偽って販売した事件でした。虚偽表示は秋田や大阪でも相次ぎました。新聞記事を見ながら「食」について、また時々の社会問題、時事問題について勉強し考えるのも新聞活用術です。

北海道では2008年7月に「北海道洞爺湖サミット」が開かれます。主要国の首脳が集まり、地球温暖化防止について協議する会議です。時代のキーワード「環境」「温暖化防止」に関連する記事は連日載っています。教材として格好のテーマではないでしょうか。

先生それぞれの問題意識からテーマを決めて、新聞の切り抜きから始めてください。関係する社説を読むこともお勧めします。たとえば食の虚偽表示事件では安全と信頼確立を求める主張、サミットでは温暖化防止に向けての主張とともに、事件の概要や温暖化の現状などがコンパクトにまとめられています。また、解説専門のページもあります。とても便利ですよ。

地域の話題から社会問題まで、新聞は情報の宝庫です。教材づくりに当たっては、各新聞社にあるNIE担当部門に相談するという手もあります。専門スタッフがアドバイスしてくれます。

(北海道新聞社・吉岡孝修 2008年4月)