実践終了校に対する調査 第2回(2009年5月)結果概要

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標記調査では、2003年度のNIE実践継続校(389校)に対し、現在もNIEを継続しているか否か、NIEが定着した要因、定着しなかった理由などを聞いた。回答校は237校。

調査によると、回答があった学校のうち4割弱(38.8%)が現在もNIEを継続している。校種別では、高校(45.7%)が最も多く、中学校(39.5%)、小学校(29.8%)と続いた。当時の実践形態を聞いたところ、全体の40.5%が「1人の先生が実施」と回答したのに対し「学校全体で取り組んだ」は26.6%だった。現在もNIEを継続している学校の過去の実践形態をみると、「学校全体で取り組んだ」(36.6%)が「1人の先生が実施」(24.7%)を上回った。すでに指摘されていることではあるが、あらためて学校全体で取り組んだほうがNIEの定着率が高いことが明らかになった。

NIEを継続している要因については、全体の60.9%が「熱心な先生が続けている」と回答、依然として教師個人の力に依存している実態がうかがえるが、「校内研修や公開授業をみて他の先生が実践するようになった」(15.2%)など、校内での広がりも挙げられている。一方、実践校終了後、NIEを継続できなかった理由は、「当時の実践者が異動したから」が68.3%で最も多く、次いで「新聞を確保できない」(22.1%)、「カリキュラム上に位置づけられない」(21.4%)の順だった。

実践校終了後もNIEを継続している学校と、していない学校を比較すると、学校全体での取り組みや実践教師の熱意などに差がみられる。両者に関係するのが管理職の理解であり、多くの管理職にNIEの教育効果を認識してもらい、授業の中に新聞を取り入れることを先生方に奨励してもらうことが必要だ。また、学校単位で取り組んでもらうために「教育計画の中にNIE教育の項を作る」「校内にNIE委員会などの組織を作る」などの工夫が効果的であり、これらがNIEの定着にも影響してくるといえる。

終了後の新聞確保については「自宅の新聞を持ち寄っている」(57.6%)が最も多く「学校の予算やPTA予算から購読」「本年度は実践校として新聞を提供してもらっている」「NIE実践教師が購入」「学校図書館の新聞を利用」などの回答も多かった。また「職員クラブ」「学年費で購入」「教科の消耗品」などから新聞購読料を捻出しているといった回答や「年数回申し込んで提供されるNIE特集を全児童に配布。時々提供される小学生新聞を活用」といった新聞社のサービスを活用しながら新聞を確保している学校もあった。

新学習指導要領の柱のひとつである「言語活動の充実」にNIEが役立つかについては、71.7%が「役立つと思う」と回答。NIEに対して保護者の理解があるかとの質問には、30.4%が「ある」と回答した。

今回の結果で、学年が上がるほどNIEの定着率が高いことが明らかになっている。過去の実践内容をみると小学校では「総合的な学習の時間」(54.8%)、「HR、朝学習」(38.1%)での新聞活用が中・高に比べ多いが、中学校、高校と学年があがるほど教科中心の活用が多くなる。「新聞に親しむ」ことから発達段階に応じた新聞活用が大切であり、小中高校と新聞活用を継続することによって、より教育効果が高まるであろうことが推察できる。

調査概要

調査対象

2003年度NIE実践校389校

調査目的

過去のNIE実践校に現在もNIEを継続しているかを聞き、定着した要因、定着しなかった理由を調査・分析し、実践校が終了した後もNIEを継続してもらう施策を探る。

調査方法

郵送法(学校長・過去の実践者などが記述)

回答数

  小学校 小中併設 中学校 中高一貫 高等学校 特別支援学校
回答数 84 1 76 5 70 1 237

調査期間

2008年12月~2009年2月