新聞を活用した教育実践データベース

新聞に慣れ親しみ、自分の思いを表現する力を育む

久留米市立南薫小学校(くるめしりつなんくんしょうがっこう)

実施年度

2020年度

教科、科目、領域

小学校: 国語
学年 小学 4年
使用教科書発行会社 育鵬社
国語科「アップとルーズで伝える」「新聞を作ろう」
新聞に慣れ親しみ、自分の思いを表現できるようにする。
新聞制作学習 新聞活用学習

アップとルーズで伝える
新聞を作ろう

8時間+12時間

国語科で筆者の考えをとらえて、自分の考えを伝える学習として「アップとルーズで伝える」という単元がある。この学習では、情報発信者の意図によって取り扱う写真を変えていることをとらえさせる。たとえば、サッカーの試合において、試合前の緊張感や静寂を伝える場面ではスタジアム全体の写真をつかい、得点後の興奮している様子を伝える場面では得点シーンや得点者の興奮している表情を使っている。新聞記事の伝えたい内容によって、写真の取り扱い方が違うということについて知ることができた。さらに、複数の会社の新聞や、発行日の違う新聞を比較することで、新聞会社や伝える立場、その日時点で分かっている内容によって、記事の扱い方や主語が違うことをとらえさせた。
また、そこで学んだ「アップ」と「ルーズ」の写真の選び方を活かして、次単元の「新聞を作ろう」では自分たちの生活の中の様子や興味のあることを新聞にまとめて伝えていった。その際、グループワークでつかんだ新聞の大まかな内容構成や見出しの工夫を活かして、班で1枚の新聞にまとめていった。新聞に写真を使う場合は、自分たちの伝えたい内容に応じてアップとルーズを使い分け、記事に適した写真を撮影してくるように伝えた。表情や細かな内容を伝えたい場合はアップでとり、全体像を伝えたい時にはルーズでとっており、記事に合う写真を工夫して撮影することができていた。

新聞の記事によって取り方に違いがあるので、その時の記事に応じた写真のつかい方の違いを見つける必要がある。

新聞の記事の意図を考えて写真が使われていることを知り、自分たちが実際に新聞を作る時にその視点を生かすことができていた。

学習に本物の新聞を使うことで、子どもがリアリティーをもって学習に望むことができていた。また、時事ネタを扱うことができるので、タイムリーに取り扱うことで子どもたちの意欲も高かった。しかし、新聞を自分たちで読むことに対して苦手意識をもつ子もいるので、その支援が必要であった。

実践者名:久留米市立南薫小学校 松本拓也