新聞を活用した教育実践データベース

新聞で世の中とつながろう! 初心者向け

むかわ町立鵡川中学校(むかわちょうりつむかわちゅうがっこう)

実施年度

2020年度

教科、科目、領域

中学校: 地理 、歴史 、公民 、その他(防災教育)
学年 中学 1年 、2年 、3年
使用教科書発行会社 教育出版 , 帝国書院
社会科学習深化のための新聞活用
複数の情報を比べ、主体的・批判的に読み、情報を取捨選択し、検討する力(メディアリテラシー)と、情報の信ぴょう性や整合性を評価していく力(ファクトチェック)の育成
読み比べのために、複数紙を並べて掲示した。また、バックナンバーをテーマ別に保管し、調べられるようにした。
新聞活用学習

1. 日常の授業における新聞活用(全学年社会科)
2. 新聞を活用した発展学習(2年社会科地理分野・3年社会科歴史分野)

社会科の授業時数内

1. 日常の授業における新聞活用(全学年社会科)
・中学校地理・歴史・公民分野に関する学習内容を深めるために、新聞記事を活用した。いま学習している内容が、どのような背景で起きているのか、さらに社会科の他の分野と関連がある内容かを、記事を活用しながら学習した。
・新聞掲示板に、NIE推進協議会提供の2紙と、学校でとっている新聞と複数紙掲示することで、同じ事柄に関する記事でありながら、「見出し」の表現や、一面で扱われているか、社会面だけなのか、記事の大きさなど、取り扱いの違いに着目しながら情報を比べてみた。
2. 新聞を活用した発展学習(2年社会科地理分野・3年社会科歴史分野)
・6月23日の沖縄戦慰霊の日に合わせて琉球新報から、慰霊の日2週間前の新聞と小中学生新聞『りゅうPON』特別版「沖縄戦を学ぶ」を購入し、2年生の社会科地理分野「九州地方」、3年生の社会科歴史分野「第二次世界大戦と日本の敗戦~戦場となった沖縄」の授業で活用した。
・「九州地方」の単元では、沖縄戦と戦後の米軍基地の問題について考えた。「平和主義」の単元では、日米安全保障条約体制のもと沖縄米軍基地の必要性が強まる一方で、基地の存在が沖縄の人々の生活に多くの影響を及ぼしていることについて議論した。

1. 日常の授業における新聞活用
この読み比べから、紙面が事柄の真相をどのように伝えようとしているのか、この記事の意図は何なのか主体的に考えさせた。
2. 新聞を活用した発展学習
沖縄戦で亡くなった兵士のうち、沖縄県出身者を除けば北海道出身者が一番多いことや、その中にアイヌ民族が多くいたことを新聞を通して学ぶことで、沖縄戦が少しでも「自分事」としてとらえられるよう留意した。

1. 日常の授業における新聞活用
・いま学習している内容に関心がもてるようになった。
・1,2年生で勉強した地理や歴史の内容を3年で新聞を読むことでよくわかった。
2. 新聞を活用した発展学習
・沖縄戦や基地問題で、沖縄の人がどのような思いであったか知ることができた。
・沖縄のことを本土の私たちが考えなければならないと思った。

1. 日常の授業における新聞活用
【成果】
・授業内容が世の中の出来事とどのようにつながっているか興味をもてた。
・世の中の出来事の背景を歴史的・地理的要因から複眼的に見ることができた。
・どの単元でどの新聞記事を扱うか年間指導計画の中で位置づけて活用した。
【課題】
・生徒が自らテーマを決め、年間通して調べることで、生徒が主体的に世の中の出来事につながっていけるようにしたい。
2. 新聞を活用した発展学習
【成果】
・戦時下においてさまざまな「バイアス」が人々の行動を間違った方向に向かわせていたことがよく分かった。コロナ禍における「バイアス」を振り返ることの大切さを考える機会となった。
【課題】
・どの単元で何時間取り組むかを考えて年間指導計画を作ればよかった。

実践者名:むかわ町立鵡川中学校 片岡 鉄也