新聞を活用した教育実践データベース

心を育てるNIE~人の思いや生き方を学ぶ~

新発田市立御免町小学校(しばたしりつごめんまちしょうがっこう)

実施年度

2020年度

教科、科目、領域

小学校: 生活
学年 小学 2年
使用教科書発行会社 その他
2年生 生活科「えがおのひみつたんけんたい」
町探検で訪ねたお店の記事の内容を聞き、お店の人の思いを想像して吹き出しに書いたり、ビデオメッセージを聞いたりすることを通して、仕事に対する思いや生き方に気付く。
町探検で関わったお店の人の記事を使用し、吹き出しに書いて思いを想像する。さらに、お店の人のビデオメッセージを聞いて、思いや生き方についての学びを深める。
新聞活用学習

全28時間中の11時間目(1時間)単元展開 (1)町探検で見つけたお店や施設を訪問し、見学やインタビューをする。【8時間】(2)見学やインタビューをして、分かったことをまとめる。【7時間】・本時では、新聞記事を使用してお店の人の思いや生き方を学ぶ。・その後、他のお店で働く人の思いや生き方を調べてまとめる。(3)見学やインタビューをして分かったこと、感じたことを新聞にまとめて発表する。【13時間】

11/28時

【新聞記事について】町探検で見学した地域の菓子店「新柳本店」の渡辺さんが、新発田農業高校の生徒が生産した卵を使って、新商品のチーズケーキを開発したという記事を使用した。
【学習活動】(1)配られた新聞記事をNIEノートに貼って吹き出しを書く。(2)記事と解説のパワーポイントを見る。(パワーポイントには、記事の内容やキーワードの解説、記事と児童の接点に気付かせる写真などが含まれている。)(3)「どうして新発田農業高校の卵を使ったのか?」について、グループで話し合う。(4)新柳の渡辺さんになりきって、吹き出しに渡辺さんの思いを書く。(5)渡辺さんの思いについて考えたことを発表する。(6)渡辺さんのビデオレターを視聴し、渡辺さんの思いに気付く。(7)振り返りを書く。

2年生の発達段階では、記事の内容を自力で読み取ることは難しい。そこで、授業者が記事を読み聞かせ、パワーポイントで解説を加える。記事の内容を変えないように注意しながら、児童に分かる言葉で説明する。写真に吹き出しを付けて人の思いを推し量る活動を日常的に行い、記事から人の思いを学ぶ力を育てておく。ビデオレターを撮影する前に、相手の方と打合せをし、児童に伝わるような話し方を工夫してもらう。

授業者の解説で、児童は農業高校の農場見学を思い出し、記事を身近に感じていた。吹き出しには「高校生とチーズケーキが人気になってほしい」と書いて渡辺さんの思いを想像していた。その後、ビデオレターを見て渡辺さんの思いをことで、児童は「食べた人に幸せな気持ちになってほしいと思っているんだ」「農業高校のことを知ってもらいたいんだね」と渡辺さんの思いをさらに深く学ぶことができた。

NIE実践に取り組む以前、新聞に「難しい」「面白くない」とマイナスイのメージをもっていた児童は少なくなかったが、実践を重ねることでプラスのイメージに変わり、「新聞を読みたい」「NIEをしたい」と口にするようになってきた。NIEで人の思いを学ぶ機会を増やしたことで、普段の生活の中でも人の思いを推し量ることのできる児童が育ちつつあり、心の成長が感じられている。また、新聞を児童にとって身近なものにし、新聞から人の思いを学べるようにするための有効な手立てを見出すことができたことも実践の成果である。今後は、児童が自分から新聞を手に取り、人の思いや生き方から学べるように、見出した手立てを活用しながら実践を重ねていく。

実践者名:新発田市立御免町小学校 熊倉一恵(藤井聡)