新聞を活用した教育実践データベース

新聞記事の情報をもとに考える活動を通して 初心者向け

筑前町立夜須中学校(ちくぜんちょうりつやすちゅうがっこう)

実施年度

2019年度

教科、科目、領域

中学校: 公民
学年 中学 3年
使用教科書発行会社 日本文教出版
社会科公民的分野 地方自治と住民参加
地域社会に対して、身近な話題や地域の現状を取り上げながら自分たちにとって必要な活動、住民が望む活動を考える。
授業導入の興味関心を高めるためと授業まとめに使う。
新聞活用学習

1~3限目 身近な地域政治のしくみ、地方自治への住民参加、行政サービスについて学ぶ。4限目 地域政治との関わり・街づくりの提言

1時

〈1〉消費税が上がった日について考える。新聞記事を提示する。
  ・10月1日について考える。
〈2〉自分の小遣いと消費税の関係に気づかせる。
  ・実質小遣い減額となることなど、増税による個人の年間負担額を算出する。
〈3〉国内の小中高校生の負担総額を計算する。
〈4〉負担総額を何に使用するか。何に使用してほしいかを検討する。
〈5〉ある地方自治体への市民の要望一覧を参考する。
  ・個人と班で、お金を何に使うべきか考える。
〈6〉デンマーク国民の税金への意識〈新聞記事のオピニオン意見〉を参考にして考えさせる。

・消費税率が上昇したことを報道する新聞記事で興味関心を高める
・まとめとして、北欧デンマークの国民の考え方についてのオピニオンコラムを提示する。
・日本国民とデンマーク国民の税金に対する認識の差を考える。
・教師側でまとめは簡潔に行う。
・税金の学習でも、同じ内容を押さえる。

○自分の小遣いを例にしたことで、負担した税金の用途に関心が高まった。地域全体のことを考えた税金の使用方法が、個人や班活動でも出された。市民からの自治体への要望資料を提示したことで使い方の発想が広がった。

○中学生が考える税金の使い方は発想豊かなものが多かった。例えば、小・中学校の教室から、直接グラウンドにつながる滑り台を設置しようという案が出された。これは避難路として使うことを基本としてはいるが、本音では、毎日の帰りの会でも使いたいという。自分の学校の個性をその分アピールできるという考え方が示された。教室から滑り台のある学校・・・これはよい意見だと思う。一方、約60億円という消費税増加分の金額で、何ができるのか、何を変えられるのかなどを想定させることが難しかった。金額のケタが日常生活と離れているために予想が困難であった。どこにどれだけのお金が必要なのか、何にどれだけかかるか、そのものさしとなる基準建築や基準施設などを示さないと、生徒の発想が滞ることが分かった。億という単位を身近にさせる必要がある。

実践者名:筑前町立夜須中学校 徳永 浩一