新聞を活用した教育実践データベース

社会生活と高校数学を結ぶ「新聞」

栃木県立今市高等学校(とちぎけんりついまいちこうとうがっこう)

実施年度

2018年度

教科、科目、領域

高校(高等専門学校を含む): 数学
学年 高校(高等専門学校を含む) 3年
使用教科書発行会社 実教出版
数学活用「社会生活と数学」
新聞を通して数学が社会生活と結びついていることを学び、活用する
新聞から「預金」「放射能」「人口減少」の記事を取り上げ、社会生活と高校で学ぶ数学が関係していることを伝え、数学の有用性を実感させる。
新聞活用学習

「指数関数」
(1)預金の元利合計
(2)放射能の半減期
(3)日本人の人口減少

1時間

●新聞の見出しを拡大したものと問題を提示
(1)「年利5%で預けたときの元利合計」
問題:100万円を年利5%で積み立てた場合、10年後の元利合計はいくらになるか?
(2)「セシウムの半減期」
問題:セシウムの半減期は30年である、これが100分の1になるのは何年後か?
(3)「出生率1.45」
問題:日本の出生率が1.45である、100年後の日本の人口はおよそ何人になるか?
●授業の進め方
(1)グループ内で話し合い、予想した数字を発表する。
(2)新聞記事に書かれている数字を示し、予想した数字と比較する。
(3)根拠になる計算方法を話し合い、発表する。
3問とも数学Ⅱで学習した「指数関数」であることを気づかせる。

社会生活の中で使われている事象や数字は扱いにくい場合もあるので、モデル化して授業で扱いやすいように置き換えることも必要である。

授業前のアンケートで、「数学は生活の中で使われていると思うか」との質問に対して「思う」13.9%、「少し思う」66.7%だった。同じ質問を授業後に実施したところ「思う」80.6%、「少し思う」19.4%となった。

大学入学共通テストでは日常生活を扱った長文の問題が出題される。新聞記事を授業に取り入れることで、生徒は日常生活と高校数学の結びつきを実感するとともに文章を読む訓練にもなる。それにより数学の学習意欲が高まり、学力の向上が期待できる。

実践者名:栃木県立今市高等学校 臼井利正