新聞を活用した教育実践データベース

キャリアプランニング能力を高めるための総合的な学習の時間における新聞活用 初心者向け

胎内市立中条中学校(たいないしりつなかじょうちゅうがっこう)

実施年度

2019年度

教科、科目、領域

中学校: 総合学習
学年 中学 1年 、2年 、3年
使用教科書発行会社 その他
自分の学びを新聞にまとめよう~自分史新聞の作成を通して~
新聞記事を仲間と読み取る活動を通して,これまで自分が考えてきたことと比較し,これからの自分(10年後の自分)についての考えをまとめることができる。
新聞制作学習 新聞活用学習

1,2限目 「上級学校訪問並びに自分史新聞のオリエンテーション」
3~11限目 「上級学校訪問の事前・事後学習」
12~15限目 「自分史新聞の記事の作成」
16限目 「複数の新聞記事から『働くこと』について読み取る活動」
17限目 「新聞記事を仲間と読み取り、トップ記事を練り上げる活動」
18~21限目 「記事の修正及び清書」

12~17時

3年間の集大成として、「10年後の自分」を想定し、過去の自分-今の自分-理想とする自分の3つの観点で自分を見つめ直した。「自分が歩んできた人生の転換期で起こったこと=変わった出来事とその理由」「理想の自分と今の自分のギャップ」「そのギャップを埋めるため、いつ・何を・どのように取り組むのか」を新聞形式でまとめた。前時では事前に提示した新聞記事の中から、自分にとって印象に残った記事を事前に選ばせた。
 ◎学習課題 10年後の自分たちに大切なこと(力)はなんだろうか。
 本時では、違う記事を選択した生徒同士のグループを編成した。それにより、記事から気付いたこと、感じたことを複数の視点で交流できるようにした。グループごとにワークシートを用いながら、新聞記事から読み取ったこと、気付いたこと、感じたことを書き込み、可視化した。さらに「10年後の自分たちに大切なこと(力)は何か」という問いに対する考えを導き出すために、グループでの対話を行った。グループ内で、新聞記事から感じたことや今までの自分が考えたことと比較し、自分の考えを練り上げた。
 最後に、振り返りとして自分が経験したものだけでなく、新聞記事から読み取った客観的な事実や、グループの仲間との交流での新たな気付きをもとに、自分の記事をよりよくするために吟味する時間を設けた。

総合的な学習の時間を中核に他教科と連携し、教科横断的な視点でキャリア教育を推進した。国語科の授業では新聞記事の読解や書き方を学んだ。社会科の授業では新聞を資料として活用し、社会的事象を説明する授業を行った。 
日常活動における新聞の活用として各学級で新聞記事のスクラップを作成した。週ごとに各学級で最優秀スクラップを1つ選び、全校の掲示板に提示した。昼の放送でもその内容を紹介した。
 

グループ内で、新聞記事から感じたことやこれまでの自分の考えと記事を比較し、「10年後の自分たちに大切なこと」について考えを深めた。自分が経験したものだけでなく、新聞記事から読み取った客観的な事実や、グループの仲間との交流での新たな気付きをもとに、自分の記事を推こうすることができた。

生徒の事前・事後アンケート項目「(1)なりたい職業や興味をもっている職業がある」の質問に肯定的に回答している生徒の割合は6月の73.7%から、11月は74.5%まで上昇した。そして全国平均より低い数値であった「(2)自分の進みたい職業の分野について調べている」の質問に肯定的に回答している生徒の割合は6月の44.1%から49.7%まで上昇し、全国平均の46.2%を上回った。これにより総合的な学習の時間を中核に教科横断的な視点でキャリア学習を推進したことで、生徒はその職に就きたいという意欲をさらに高め、具体的にどうしたらよいかなど進路を選択する上での情報や知識を得るようになったと考えられる。
 今後も新学習指導要領が示す新たな教育目標を踏まえ、新聞を活用した授業を実践していきたい。

実践者名:胎内市立中条中学校 海老名 崇