新聞を活用した教育実践データベース

NIE新聞記者派遣「世論形成のために新聞はどのような役割を担うのか?」

兵庫県立兵庫高等学校(ひょうごけんりつひょうごこうとうがっこう)

実施年度

2018年度

教科、科目、領域

高校(高等専門学校を含む): 公民
学年 高校(高等専門学校を含む) 1年
使用教科書発行会社 東京書籍
世論と政治参加
新聞機能学習

現代社会の授業の一環として、朝日新聞報道局編集委員に「世論形成のために新聞はどのような役割を担うのか?」という題で1年生を対象に講義いただいた。

1時間

講義の前半では、世論調査の時代による変化、世論調査を活用する際の注意点についてお話しいただいた。例として2020年東京オリンピック期間におけるサマータイム導入の是非を問う世論調査を取り上げた。朝日新聞の世論調査において、導入案が公表された8月の世論調査では賛成5割反対3割であったが、その翌月の世論調査では賛成3割、反対5割と数字が逆転したという。このように世論は、時期により変化することがあり、その変化が何によるものなのかを考えなくてはならないと話した。
講義の後半では、世論調査を踏まえ、新聞は世論形成のためにどのような役割を担うのか、国民はメディアとどのように向き合うべきかについてお話しいただいた。SNSの発展により情報が多い時代だからこそ、複数の調査やデータを横断的に見ることが必要であり、「フェイクニュース」にだまされないメディア・リテラシーを養わなければならないと生徒たちに語った。

世論と政治参加の単元を学習したうえで、新聞記者派遣を実施した。

(1)「新聞が果たす世論形成の役割について、あなたが考えたことを書こう。」新聞には情報をより早く伝える即時性はないが、その分情報を正しく、深く伝えることができるのではないかと思った。(2)「メディアの情報をどのような意味として受け取り、活用するのかを考えよう。」インターネットが普及しているが、すべてを正しい情報と思うのではなく、自分の力で信用できる情報を取捨選択することが大切だと考える。

2年間のNIE実践活動では、「政治とメディア」「世論とメディア」をテーマにした授業を複数回行った。NIE実践を2年間受けた生徒は、来年度には3年生になり、選挙権を得る。生徒がメディアとの関わり方を考え、選挙権を行使することができるように引き続き主権者教育を行っていきたい。


実践者名:兵庫県立兵庫高等学校 阪本和人