新聞を活用した教育実践データベース

進化する名古屋のまち!新聞から見える、名古屋の魅力 初心者向け

名古屋市立大宝小学校(なごやしりつたいほうしょうがっこう)

実施年度

2018年度

教科、科目、領域

小学校: 社会
学年 小学 3年
使用教科書発行会社 東京書籍
わたしのまち みんなのまち
新聞活用学習

1~3時間目 航空写真から名古屋市の地理的環境に違いがあることを捉える
4~9時間目 観察や調査をしたり、資料を活用したりして調べ、名古屋市の様子を整理する
10~11時間目 新聞を活用し、現在の名古屋市が抱く課題について考える
12~14時間目 新聞を活用し、名古屋市や企業による新しい名古屋市の魅力開発に向けた取り組みを調べ、課題の解決に向けて自分ができることを考える

10~14時間目

学習問題Ⅰ「名古屋市は、どのような街なのだろうか」
市の様子を調べる活動を通して、子どもは市に対する愛情を深めた。市のことをよい街だと思うか尋ねると、全員が市を高く評価した。子どもに1枚の新聞記事「名古屋また魅力度最下位」を提示した。そして、「なぜ名古屋市が最下位なのだろうという」という子どもの疑問をきっかけに、見出しやグラフだけでなく、記事に書かれている内容を詳しく読んでいった。その中で、多くの子どもが注目したのは、「名古屋市民は、他都市と比べ地元に対する評価が低い」という内容であった。
学習問題Ⅱ「名古屋市が魅力ある街になるためには、どうしたらよいのだろうか?」を設定した。
学習問題Ⅱを解決するために、名古屋市の魅力について学級で共有した。より多くの市の魅力に気付かせるために複数の新聞記事「本丸御殿長い列」、「名古屋の都心がホットスポット」、「ららぽーと東海初見参」、「寝ても覚めてもレゴ満喫」などの内容を参考にして、市の魅力をまとめた。調べる中で、実際に本丸御殿などの場所を訪れて、市の魅力を体験したいという気持ちが高まっていった。そこで、特に関心を示した名古屋城本丸御殿やオアシス21を見学し、市には、多くの魅力があることを改めて実感した。

小学校3年生の児童にとって、新聞記事は、漢字が読めない、言葉の意味が分からない、文章量が多い、文字サイズが小さいなど、多くの問題がある。そのため、社会科の授業で新聞記事を資料として活用するためには、国語科を中心とした他の教科や日ごろから新聞に触れることができる環境づくりなど、「新聞を読む」という行為に慣れ親しませることが不可欠である。

名古屋市のことを高く評価していた子どもに「名古屋また魅力度最下位」を提示した。記事を見詰める子どもの口から漏れる戸惑いの声とともに、「最下位なんて信じられない」と驚きの声が次々と上がった。自分たちの評価とかけ離れた大人の評価に困惑の表情を見せ、名古屋市が抱える課題について、「このままではいけない」という意識をもつことができた。

「名古屋また魅力度最下位」…社会に見られる課題を把握させるための工夫
名古屋市への愛情を深めていた子どもにとって、新聞記事から分かった評価されていないという事実は衝撃的であり、課題意識を強くもたせることができた。
「進化する名古屋」…社会的事象を追究させるための工夫
記事に書かれている場所を実際に訪れた体験は、子どもの追究意欲を高めることができた。しかし、内容が難解であった記事からは十分な情報を読み取ることができず、追究意欲が停滞する子どもの姿も見られた。

実践者名:名古屋市立大宝小学校 森山 勇二