新聞を活用した教育実践データベース

現代の民主政治 マスメディアと世論 初心者向け

伊那市立高遠中学校(いなしりつたかとおちゅうがっこう)

実施年度

2018年度

教科、科目、領域

中学校: 公民
学年 中学 3年
使用教科書発行会社 東京書籍
現代の民主政治 マスメディアと世論
同じ記事内容の一面がなぜ新聞社によって異なるのかを考え、違いを見つけ、公正な世論形成をするためにマスメディアの役割を理解することができる。
新聞3社の記事と記事の基の情報との比較
新聞活用学習 新聞機能学習

現代の民主政治 マスメディアと世論
1時 新聞記事と情報基との比較
2時 全体での検証と公正な新聞作りを学ぶ

1~2時

消費税増税の記事について朝日、信毎、読売各社の1面記事を比較し情報の基である、首相官邸からの情報とも比較していく。
各新聞社で1面に違いが出ることをグループと学級全体で話し合い予想を立てていく。
最後に、実際に記事を書く仕事に携わっている人に話を聞くことによりマスメディアは情報を発信するためにどのような工夫をしているか考える。

・3つの新聞社の1面記事と首相官邸の記事を比較しやすいようにしておく。
・情報を共有させるために、グループで違いを見つけさせる。
・生徒の予想は前の段階で分類させておく。
・アドバイザーから話を聞く際は、メモを取るために学習カードを用意する。

同じ内容の記事でも新聞社によって違いが出ることがわかった。自分が知りたい情報や興味を持った情報は表面的な内容で理解せず、自分で調べてから理解する必要がある。情報基がどこにあるか確認する必要がある。

普段から目に付く環境にあることから新聞に対する反応もよく、公正・公平な立場から情報を読み取る力をつける上で、本授業は重要な位置づけであったと思われる。特に、新聞社の主義主張が少なからず反映されている記事で、3社の記事を比較して読み取り、自分の考えを持つことができた生徒が多く見られた。情報を批判的に捉えることを意識して読み取っている生徒も数人いたので、今後、社会人になった時に情報を自分で取捨選択する基本ができたと考えられる。また、理解が難しい生徒もいる中で、グループごとに意見を集約させたことは今年度の社会科研究テーマに沿った活動であり、自分の考えや意見をもつことと知識を定着させることに有効であったと考えられる。今後、裁判員制度等でグループ学習を組むことで、授業を充実させていきたい。

実践者名:伊那市立高遠中学校 小坂美智男