実践指定校実践例 2012年度

新聞を活用し、「読む力」「考える力」「表現する力」を育てる

登米市立東郷小学校(とめしりつひがしごうしょうがっこう)

教科、科目、領域

小学校: 国語
学年 小学 5年
「おくりもの」に興味をもったことについて調べよう(森林のおくりもの)
筆者の考え方を読み取ることを通して、筆者の述べ方の工夫や良さに気付き、その述べ方を使ってはがき新聞を書かせる。
「おくりもの」に関する新聞記事スクラップとはがき新聞づくり
新聞制作学習 新聞活用学習

 第1(6時間)に、教材文「森林のおくりもの」において、筆者の考えを読み取ることを通して、述べ方の工夫や良さに気付かせる。同時に自分の興味のある「おくりもの」に関する新聞記事をスクラップしていく。第2(5時間)に、スクラップの中から、一つの記事を選び、前段階で学習した表現方法を生かして、当該記事に対する自分の考えをはがき新聞にまとめ、他校との交流を図る。

第9時

<前時まで>
 児童は、自分が興味をもって選んだ「おくりもの」に関する記事を読み、自分の考えを記事にまとめてきた。
<本時>
学習課題-「記事の内容に合う見出しを考えよう」
①見出しの効果について考える。
 ・ゲストティーチャー(新聞社)の話を聞く。
②見出しの付け方を知る。
 ・実際の新聞(ロンドンオリンピック号外記事)に見出しを付ける。
③友達の記事に対して、見出しを考え、発表し合い、どの見出しが適切なのか話し合う。
④見出しの付け方について、まとめる。
<本時以降>
①学習したことを生かして、自分の記事に見出しを付け、はがき新聞を完成させる。
②完成したはがき新聞を発表し合い、表現方法の工夫した点や新聞を読んだ感想を話し合う。
③完成したはがき新聞を交流校の学校に送る。

○実際の記事を活用する際、記事の内容が児童にとって初読で分かりやすいものにしたほうがよい。
○新聞を書く活動に関して、どこかの段階で、テーマを絞って専門家(新聞社)の力を借りるほうが、新聞もより確かなものとなり、児童の意欲付けにもなる。
○はがき新聞は、文字数が少なく、どの子も書く抵抗感が少なくて済み、プリンター等を活用すれば、カラーで複数枚発行することができる。

○「おくりもの」に関しての記事をスクラップする際、児童は、震災関連で、全国のいろいろな立場の人から支援を受けていることを知り、興味深く新聞記事を読んでいた。
○新聞社の人から直接指導を受けることによって、日常の学習より、より意欲的に学習していた。
○はがき新聞の記事の中に、学習した表現方法や見出しの付け方をいかに取り入れていくか真剣に考え取り組んでいた。

<成果>
○児童は、新聞記事を活用しながら、新聞製作活動をすることによって、文章構成の工夫や見出しの有用性を体験的に理解することができた。
○「おくりもの」に関する記事をスクラップし、完成した新聞を読み合うことで、人々が互いに支え合いながら生活している社会について、また、世の中には善意をもって活動している人がたくさんいることについて、人の生き方として視野を広げることができた。
○はがき新聞で他校と交流することにより、児童の「他の人に読んでもらう」という意識が高まり、新聞を書く意欲付けとなった。
<課題>
○新聞記事をスクラップすることも新聞を書くことも時間がかかるので、時間をいかに生み出すか時間をいかに有効に使うかが課題である。

実践者名:登米市立東郷小学校 門田りえ