実践指定校実践例 2012年度

自己表現力育成のための新聞活用

都立第一商業高等学校(とりつだいいちしょうぎょうこうとうがっこう)

教科、科目、領域

高校(高等専門学校を含む): 国語
学年 高校(高等専門学校を含む) 3年
小論文・レポートを書く
新聞を読み時事問題への理解を深め、自分の考えを筋道立てて表現できる力を養う。
新聞の構成を理解し、読み手に分かりやすく意見を伝える表現の技術を学ぶ。
新聞活用学習

新聞記事や社説、コラム、投書欄など様々な文章を読み、考えることで自己の表現に役立てる。

第14時

(1)新聞を読み比べる
・同じ日付の新聞数紙の一面記事を比較し、各新聞の特徴や違いを考える。また、新聞数紙のコラム欄を比較し、コラムの構成を学ぶとともに、200字に要約する。
・同じ題材を扱った記事を比較し、どのような見出しをつけているか、どのような写真を選んでいるか考えることで、読み手に伝わりやすい記事の書き方を学ぶ。
(2)意見の書き方を学ぶ
・新聞の社説を読み、200字で内容を要約すると共に、自分の考えたことを600字で表現する。
・新聞の投書欄を読んでその意見に対する自分の考えをまとめる。また自分が関心を持っている社会問題についての投書を書く。
(3)様々な表現方法を知る
・新聞記事を読み、書かれた内容を読み取ると共に、記事についての自分の意見をまとめ、発表する。
・新聞記事から写真と脚注だけを抜き出したものを見て、何を伝えようとしているのか考える。
・新聞の四コマ漫画を見て、絵で書かれた内容をことばで説明する。

・生徒の興味や関心に応じた記事を選択し、意欲を持って学習活動に取り組めるようにする。
・書くことが苦手な生徒でも、新聞を読んで考えることで自己を表現することができるよう、写真や絵を活用する。
・互いに意見を発表しあい、相手にわかりやすく伝えるためにどうしたらよいかを学びあう場を設ける。

家庭で新聞を取っていなかったり、日常生活の中で新聞を読む機会がなかったりする生徒が多い中で、あらためて「新聞」とはどのような特性を持ったメディアなのかを伝えることで、新聞の特性を理解し、自己の表現力の向上のために役立てようとする姿勢が見られた。また、生徒が興味・関心を持って取り組めるような記事を選ぶことで、楽しんで学習活動に取り組んでいた。

新聞記事を読み、内容を要約したり、自分の意見を考えて書いたりすることで、自己を表現するための力が身についた。また、生徒にとって身近な話題を扱った記事を取り上げることで、意欲的に学習活動に取り組む姿勢が見られた。しかし、教師の選んだ記事を受身の姿勢で読むだけではなく、自分自身で記事を選び、考え、意見を発表するという主体的な活動を行っていけるよう、さらなる改善を図りたい。

実践者名:都立第一商業高等学校 鈴木 由起子