実践指定校実践例 2012年度

NIEを全教科・全教員にどれだけ広げられるか

私立 東北学院榴ケ岡高等学校(とうほくがくいんつつじがおかこうとうがっこう)

教科、科目、領域

高校(高等専門学校を含む): 国語 、地理歴史 、公民 、数学 、理科 、保健体育 、芸術 、外国語 、家庭 、情報 、総合学習 、特別活動 、キャリア教育・進路指導
学年 高校(高等専門学校を含む) 1年 、2年 、3年
教科指導・HR指導に新聞を取り入れる
受験勉強だけでなく、現代社会の諸問題に目を向けさせ、幅広い教養を身に付けさせ、小論文指導へと発展させる
従来から全クラスに朝日新聞を1部ずつ配布している。NIE期間中は昇降口に5紙を置き自由回覧できるようにした。
新聞活用学習

NIE強調月間(10~11月)中心に、新聞を使った授業を行うよう全教員に呼びかける

第7時

7例の実践を行いました。
1年国語総合では、新聞スクラップ・語句調べ・タイトル付け・感想を書かせる授業を行いました。
2年世界史では、世界遺産への理解と題し、マヤ文明の記事を紹介した上で、国際協力について考えました。
2年古典では、11月1日「古典の日」についてのインタビュー・社説・コラム・投書などを比較読みし、各記事の要約と感想を書かせ、古典を学ぶ意義について考えました。
3年選択日本史では、大宝律令後の政治体制を学ぶ際に、最古の木簡についての記事を比較読みし、記者の視点の違いを考えました。
3年選択地理では、チベット問題の記事を読み、中国の人権問題について学びました。
図書委員会では、読書強調月間企画として、「図書館で新聞も読もう」と題し、ホワイトボード左に図書部教員、右に図書委員が新聞記事をリレー形式でスクラップし、感想を書き、見比べることができるようにしました。
大学アワーでは、本校OBの筑波大学教授 渡邉信氏の講演「藻から石油を取りだす」の資料として、仙台市との合同研究の記事を紹介しました。

汎用性があり簡便なフォーマットとして、シンプルな報告書書式を用意し、手間を省きました。
次に、取り組みのフィードバックとして、NIE委員会のウェブページを作り、実践例や新聞データベース情報を集約しました。また、生徒向けのNIE新聞を発行し広報しました。
最後に、汎用性のあるマニュアルを整備し、教員が新聞にアクセスしやすいよう工夫しました。会議資料に細かく方法を載せ、経過も逐一報告しました。

事後アンケートを行いましたが、概ね好評でした。

成果は、NIE委員会として組織的に運営に取り組めたことです。今回7例の新聞を使った実践を行うことができました。会議資料やウェブページの使い勝手がよく、実践の後押しになったようです。NIEを通して、新聞に一定の関心を持ってもらえたと思います。
反省点は、大多数の教員が実践に取り組めなかったことです。年間のシラバスがすでにあり、教科書の内容を最大限教え、受験対策も行っているため、NIEを挟む余裕が全くなかったこと、公務繁多の折、新聞を使った教材研究を十分に行う時間がなかったことが原因のようです。
NIE後に新聞データベースを図書部予算で継続的に使用できるようにしました。これからも、現在の新聞購読を続け、新聞をいつでも簡単に利用できる環境を担保し続けます。

実践者名:私立 東北学院榴ケ岡高等学校 富谷匡子