実践指定校実践例 2012年度
新聞を活用した時事問題の学習
私立甲子園学院高等学校(しりつこうしえんがくいんこうとうがっこう) |
教科、科目、領域 |
高校(高等専門学校を含む): 公民 |
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学年 | 高校(高等専門学校を含む) 1年 |
国際政治 |
新聞を読むことで、自らの生活と時事問題が密接に関係していることを理解させる |
国際政治 1時間
第1時 |
(1)新聞記事の切り抜きを用いて、高校1年現代社会の国際政治の単元で、資料として活用した。具体的には中国籍の船舶や中国公船による尖閣諸島の接続海域への侵入事案を例に、国家の三要素および国家主権の重要性を解説した。授業の流れとしては授業開始時に本時の授業内容をまず伝え、上記の内容をとりあげた新聞記事を読ませ、何が問題となっているかを考えさせた。数人の生徒に答えさせ、その答えの内容から本時授業のキーワードにむすびつく事柄をひろいながら、解説を進めていくという形式で行った。(2)NIEノートを高校1年生の生徒を対象に実施した。現代社会の授業時に提出させ、生徒が書いてきた内容について実践者がコメントを添えて次回授業時に別の生徒に渡すという形式で、年度を通じて行った。ノートはB5判を使い、記事は時事問題や現代社会の授業で扱った内容に則した事柄のものに限定した。生徒が選んだ記事について生徒自らの考えや感想を最低限度100字で記すよう指導した。 |
上記学習活動(1)について、生徒の理解を助けるために、用語の解説や当該記事にルビをふるなどして読み方の指導を行った。取り上げた事柄の核心に生徒の理解が及ぶように、国境が存在する意味などをあらかじめ生徒に示しておく配慮をした。 |
学習活動(1)について、難解な事柄のために理解しづらいようであった。授業後半にどれくらい理解したかが気になり、簡単な小テストを実施したが、あまり思わしくない結果となった。,
学習活動(2)について、新聞自体に興味を示さない生徒が多かった。少数ではあるが実践に積極的に取り組む生徒もおり、授業の理解度にかかわらず時事問題一般に関して興味をもったように見えた。
NIE活動に取り組み、少数ではあるが時事問題から現代社会、そして世界史や日本史などの歴史分野や倫理や思想の方面に関心を持つ生徒を発掘できてよかったと思う。反省点としては、難解な事柄をうまく伝えきれなかったことである。よりわかりやすく生徒に伝えるためにはどうしたらよいかが今後の課題である。
実践者名:私立甲子園学院高等学校 余部 和弘