実践指定校実践例 2012年度

「かべしんぶんを つくろう」

筑波大学附属桐が丘特別支援学校(つくばだいがくふぞくきりがおかとくべつしえんがっこう)

教科、科目、領域

中学校: その他(自立活動)
学年
社会見学の体験を壁新聞にまとめて、友達に紹介する
体験したことについて、見やすさや分かりやすさを意識しながら、壁新聞にまとめることが出来る。制作した壁新聞を紹介しながら、友達とやりとりすることが出来る。
壁新聞の制作や紹介を通して、友達や教員に認められる良さを実感することが出来る。また、細かい制作作業を通して、自分の得意なこと、苦手なことを理解する。
新聞制作学習

1時限目 社会見学の体験について、写真を基に振り返る。
2時限目 壁新聞にどのようなことを載せたいかを考える。本物の新聞を読んで参考にする。
3時限目~5時間目 壁新聞の制作作業。(全体の構成を考える、写真を選ぶ、写真に添付するコメントを考える、写真やコメントを印刷して、のりとセロテープで模造紙に貼る、日時や人数、参加者等を記入する)
6時間目 廊下に掲示し、友達に分かりやすく内容を紹介する。 

第4~5時

・新聞制作の作業(前回は、「写真を選ぶ」活動を行った)
(1)写真に添付するコメントを考える
写真の人物や様子を見て、短い文章を作る。罫線を引いた色画用紙に、マジックで文章を書く。
(2)写真とコメントをあわせて、模造紙にのりとセロテープで貼る。
模造紙の決められた位置に、向きに気をつけながら写真とコメントを貼る。
(3)日時、人数、参加者を記入する。
「社会見学のしおり」を見ながら、正確に模造紙に記入する。

・写真に添付するコメントを考えるときには、「しおり」を読み返したり、教員が発問をしたりしながら、短くて読み手にも分かりやすい文章を作成出来るように指導した。
・写真とコメントを貼る作業は、作業時間に着目させた。
・模造紙に貼るときには、端の位置に印をつけて、はみ出さないように意識をさせながら指導した。

壁新聞の制作に非常に意欲的で、完成を楽しみにしながら学習を進めることが出来た。「しおり」や写真を基にしながら、当日の出来事を思い出して、コメントを考えることが出来た。模造紙に貼る作業が難しかったようだが、繰り返すうちに、少しずつ慣れてきて、向きに気をつけながら貼ることが出来た。完成した壁新聞を廊下に掲示すると、友達や教員が声をかけてくれて、本人も嬉しかったようで自信を持つことが出来た様子であった。

特別支援学校(肢体不自由)の「自立活動」の授業で、壁新聞制作に取り組んだ実践である。当該学年の教科学習が難しい児童生徒にとって、自立活動の目標に照らし、ねらいを設定して「新聞制作」を行うことは、教科学習のNIEとはまた違う良さがあり、学習に広がりが出来るのではないかと考えられる。
特に「壁新聞」制作は「書字」や「切る、貼る」等の多様な学習活動があり、本人の実態を踏まえながら、工夫をして取り組むことが出来る。完成した壁新聞を掲示し、皆に紹介することによって、自信を持つことが出来る。

実践者名:筑波大学附属桐が丘特別支援学校 竹田 恵