実践指定校実践例 2012年度

本校の教科指導・進路指導・HR指導等での新聞の活用実践

県立宇治山田高等学校(みえけんりつうじやまだこうとうがっこう)

教科、科目、領域

高校(高等専門学校を含む): 国語 、公民
学年 高校(高等専門学校を含む) 1年 、2年 、3年
「現代文」 社説要約 「現代社会」 夏休みの課題 10日分の新聞記事の切り抜き他
新聞活用学習

(1)「現代文」(3学年)2単位のうち週1回、最初の10分間、生徒に「天声人語」「中日春秋」を読ませ、まず筆者が伝えたいところに線を引かせる。次に、100字以内で要約。続いて、意味の分からない語句を調べさせる。
(2)「1A通信」 学級通信 「1A通信」の冒頭に「余禄」「中日春秋」「大観小観」「天声人語」 を載せ、その下にクラスの目標、毎日の連絡事項等を示し、SHRで生徒に配布し、読ませたり、意味を調べさせたりする習慣づけを行ってきた。
(3)「現代社会」(単元名の欄参照) 

第15時(3年国語)、1A通信(毎日)時

・「現代社会」の夏休みの課題として、1学年3クラスで生徒が興味を持った記事を切り抜き、提出用プリントに貼り付け、その記事についての意見や感想、考えたことを100字程度(90字以上、正しい書き言葉)でまとめさせた。担当教諭は、一人ひとりのプリントに次のようなコメントをつけて返却しました。
・記事の内容を自分のことと結びつけてよくかけています。
・幅広い話題から記事を選んでいてよい。
・自分の考えはしっかり書けています。漢字や表現などの間違いをなくせるように、国語力を磨こう。
・漢字がわからないときは調べて書く習慣をつけよう。小学生ではありません。
 「小学生ではありません。」というコメントが10回ほど目につきましたが、 文章の表現力が拙く、漢字が書けない、社会に対する興味関心が薄い、といった本校の高校1年生の状況も浮き彫りになりましたが、この取り組みは、新聞に目を向けさせ、社会に対する興味、関心の喚起という点で効果があったと思います。

切り抜く記事の規準として、スポーツ、芸能関係のものは除き10日分、同じ日の新聞から複数の記事を切り抜くことは不可とした。

(1)「現代文」(3学年)アンケート結果 304人中(真剣に取り組んだ 207人、まあまあ真剣 80人、計287人)、(文章を注意深く読む力がついた184人(まあまあを含め)、以前と変わらない18人人、文章を要約する力がついた 269人(まあまあを含め)、以前と変わらない22人)、(入学試験や面接に役立った(225人(まあまあを含め)、役立たなかった 79人)

 3人の実践例を提供していただいた教諭の上記の取り組みの内容の部分に成果と課題については盛り込んで記述しましたが、本校では、生徒の大学受験に必要な力をつけさせる、そのことが延いては、人間として生きるに必要な力となるという観点での実践が大学受験という目の前に迫る生徒の大きなニーズに合致する上になされているという点では成果が現れるのは当然ですが、1,2年生の段階で大学受験がまだ先の生徒たちには、「現代社会」夏休みの課題のようなまずは、社会への関心を持たせるために「新聞への接近」を地道に量っていかなければならないと感じています。

実践者名:県立宇治山田高等学校 鈴木真理