実践指定校実践例 2012年度

各教科の中での新聞活用の可能性を探る

野田市立二川中学校(のだしりつふたかわちゅうがっこう)

教科、科目、領域

中学校: 国語 、地理 、歴史 、公民 、数学 、理科 、美術 、技術 、家庭 、保健体育 、英語(外国語) 、道徳 、総合学習
学年 中学 1年 、2年 、3年
各教科
2011年度は「NIEコーナーの設置」「社会科の中での教材化」「家庭学習帳での取り組み」を行った。21012年度はこれらのことに加え、各教科に広げることにした。
新聞活用学習

各教科の中で随時展開した。

第1~時

〇各教科の中での取り組み
[国語] 
 投書欄のマナーに関する文章と、教科書の同様の内容の文章を比較した。漢字練習として、見出しの書き取りを行った。
[社会] 
 地理分野ではオリンピック参加国から、世界の国名を学習した。歴史分野では箸墓古墳の調査を取り上げた。公民分野では憲法・政治・経済・国際情勢すべての分野において随時活用した。
[数学]
 確立や統計の分野で調査の資料として、新聞の経済統計を活用した。数独パズルでゲーム的な学習を行った。
[理科]
 ノーベル化学賞の記事や彗星の記事は、授業で紹介するとともに、理科室廊下に掲示した。地震、放射能、再生可能エネルギーの学習は、東日本大震災に関連した記事を多く活用できた。
[音楽]
 直接授業に引用できる内容は少なかった。合唱や吹奏楽のコンクールの記事を掲示し紹介した。
[美術]
 大きめの活字を利用して、デザインのレタリングの学習を行った。広告等を利用して、デザインの構成の学習をした。
[技術・家庭]
 日本がものづくり大国であることから、関連する記事を教師 サイドで集め、適宜生徒に伝えた。
[保健体育]
 心肺蘇生法、災害について、体育理論の中で取り上げて実践した。
[英語]
 英語の教科書に出てくる内容と関連した新聞記事を紹介し、内容に興味関心を持たせた。

[道徳]
 投書欄や人権週間の記事を教材として活用した。若者の意見のコーナーは、年齢や考え方が近く、関心が高かった。
[総合]
 1・2年生では「防災学習」を実施し、関連記事を新聞から収集した。東日本大震災に関連した記事は、各紙とも掲載が多く、活用頻度が高かった。
[進路]
 高校入試の紙上模擬テストを活用した。 新聞紙上発表の公立高校の志願状況を、指導上活用した。

〇成果と課題
 各教科の中での新聞の活用は、全教科では多少無理があった。一番活用できたのが、社会と理科であった。国語と道徳では、コラムや投書欄の活用ができた。同世代の意見を通して、自分の考えを深めることができた。技能教科では活用が難しかった。教師自身が新聞からの知識を蓄積し、生徒に還元するといった形が多かった。意外と活用できたのが総合的な学習で取り組んだ、防災学習であった。
〇まとめ
 世の中はめまぐるしく動いている。しかし、生徒の世の中の動きを知る機会は減っている。 新学習指導要領に明記されたように、我々教師は意図的に新聞を活用し、これから社会を支える生徒たちに賢くなってもらわねばならない。NIEの取り組みを通して強く感じた。

実践者名:野田市立二川中学校 教諭 横島芳幸