実践指定校実践例 2012年度

災害時における傷害の防止、私たちにできることを発信する

津市立西郊中学校(つしりつせいこうちゅうがっこう)

教科、科目、領域

中学校: 保健体育
学年 中学 3年
自然災害の一次災害と二次災害・自然災害による傷害の防止・応急手当の意義と方法
文章を読む力、書く力を身につけるとともに、自分の考えを他者に発信する力を養う
数ヶ月間にわたる新聞を読み、グループで決めたテーマにそって、新聞記事を切り抜き、模造紙にはる。新聞記事から感じたこと、考えたことを学習とリンクさせて自分たちの発信したいことをまとめる。
新聞制作学習 新聞活用学習

1時限目   自然災害の一次災害と二次災害・自然災害による傷害の防止
2時限目   応急手当の意義と方法(実習を含む場合2時間)
3時限目~ 学習からグループで他者に発信したい内容を決め、新聞を模造紙にはり、自分たちの考えをまとめる。

第1~6時

(1)自然災害・傷害の防止について、単元の学習を行う。
・自然災害について理解する。
・新聞記事から、県内・県外の自然災害の事例をもとに、自然災害によって発生する一次災害・二次災害の防止・減災を考えさせる。
・傷害の防止について理解し、災害時に起こりうる傷害について知り、応急手当の意義を理解し、方法を身につける。
・新聞を切り抜き、自分の考えをまとめておく。

(2)単元の学習と平行して切り抜いた新聞を模造紙にはってまとめる。
・実際の災害から学んだことと学習内容をリンクさせて、「自然災害に対する備え」「減災」「傷害の予防」「傷害発生時の応急手当」などについて、自分たちの考えを模造紙にまとめて発信する。

 新聞記事を切り抜く作業は、授業以外でも継続して行わせた。新聞を切り抜いたときに、自分の考えや感想をメモ程度でよいので書き留めておくように指示をした。

 東北の震災以降、自然災害の被害について考える生徒が多いので、学習には興味関心をもって臨む姿が見られた。反面、新聞を読むことが苦手な生徒にとっては、苦戦する授業であった。しかし、グループ学習にしたことで、苦手な生徒の中には、積極的に参加することができるようになった生徒もいた。

 新聞記事を読むことで、授業内容をより身近なこととしてとらえる生徒の姿がみられた。新聞を継続して読むことで、新聞を自ら進んで読む生徒も増えた。読むことが苦手な生徒は、新聞記事を切り抜くことに苦戦をしていた。また、地域や県内のことについて興味関心をもつ生徒が増えた。新聞を読むことが面倒であると感じる生徒も少なからずいたが、継続して新聞を読むことで、新聞の記事に興味関心をもち、新聞を積極的に読む生徒の姿も見られるようになった。生徒の会話や話題の内容に、社会情勢などの内容が含まれる生徒の姿も見られるようになった。反面、生徒が新聞を読む時間を保障していくことが課題である。授業時間内で充分な時間保障は難しく、宿題にするにも、新聞を購読していない家庭もあり、学校内での取り組み方に工夫が必要である。

実践者名:津市立西郊中学校 杉本順子