実践指定校実践例 2012年度

○月○日新聞から見る日本の課題

千葉県立佐倉南高等学校(ちばけんりつさくらみなみこうとうがっこう)

教科、科目、領域

高校(高等専門学校を含む): 公民
学年 高校(高等専門学校を含む) 3年
私たちの生きる社会
新聞記事を読み課題を解決することを通じて、今日の日本の状況を多角的にとらえ、あるべき方向について考察し、社会に対する関心を高める
新聞制作学習 新聞活用学習

2時間:班分け、方法の説明、担当者決め、第1段階(使いたい記事を集めて班のテーマを決めるための班会議を実施)
1時間:第2段階(テーマに沿った紙面構成の検討、元記事からのオリジナル記事作成)
1時間:第3段階(下書き)
1時間:第4段階(清書)
1時間:掲示作品の相互評価

第1~6時

(班編成と方法説明)1班(5~6人×7班)に同じ日付の8紙の新聞を配布し、「現代日本の課題」をテーマに、班で1枚のオリジナル新聞を作成する。社説担当の編集長・政治・経済・社会・国際・文化生活の担当者を班内で決める。
(記事の選定とテーマ決めと記事の再選定)各自が気になる記事を選ぶ。選んだ記事を班で集めて、各記事に共通するテーマを班別会議で相談して班のテーマを決定し、採用する記事を再選定する。
(紙面構成会議)班のテーマに基づいた紙面構成を相談する。掲載する写真資料などの配置もここで決定する
(原稿作成)各自の担当記事を紙面に合わせて文章を作り直す。編集長はテーマに基づいた社説の原稿をつくる。
(下書き)模造紙に下書きを書く
(清書)模造紙にペンで清書し、見やすい紙面を完成させる
(相互評価)廊下に全作品を掲示し、自分が最も良いと思った班にシール投票する。
  

新聞を読み慣れていない生徒が多いので、逐一課題に対して具体的な説明と方法を伝える。例えば国際・政治・経済・社会の分野ごとの記事が新聞のどのページにあるかを新聞を見せながら指導する。
班毎のテーマ決めが難航するので、適宜相談に乗りながら、集めた記事から見えてくるテーマを何にするかを相談させる。

全体的には活発に話し合い、協力して楽しんで作業を進めていた。
生徒が難しいと感じた作業を以下に列記する。
・分野毎の記事を探す作業は新聞の紙面や活字に慣れていないため難しい
・記事から共通したテーマを決めるのには、記事の向こう側にある社会の状況を考える思考力を必要とするため難しい
・記事からオリジナルの原稿を作成するのには、元の記事の内容を理解していなくてはならないため難しい

本校の生徒の場合、記事選定を課しても記事をしっかり読まないまま選んで、書き写して満足してしまうことも多いので、テーマを決めてそれに沿った記事を選んでいくという制約を課した。そのため、難しくはなったが、集められた記事からテーマを考える活動を班毎にできた。また、例えば震災をテーマに政治・経済・社会・国際面の記事を選んできた班は、震災後の日本の方向性についての社説を書くといった踏み込んだ学習活動になった。
記事を自分で理解した上で原稿を作成するという課題はかなり難しいようで、元記事の一部分だけ抜粋といった対応をしてしまう生徒もいた。新聞を毎日読み続けている者にはわかるといった内容もあるため、単発では記事内容を理解できない生徒もいた。やはり継続して新聞を読ませていく必要がある。

実践者名:千葉県立佐倉南高等学校 小島 江津子